Claude Artifacts でサービスメニューを作る位置づけ

Claude Artifacts は、Claude との会話から独立したページを書き出し、専用の URL で共有できる仕組みです。公式のヘルプは「Claude は、まとまった独立した内容を、会話の本流とは別の専用の枠であなたと共有できます」と説明しています。書き出せる中身のうち、サービスメニューは受注導線の一番前で、相手に選んでもらう受け皿に当たります。

対応プランは Free、Pro、Max、Team、Enterprise の全プランで、Web、デスクトップ、モバイルのどこからでも扱えます。2026 年 7 月 13 日の更新で公開共有が全プランに開放されました。Free の登録の相手でも、書き出したサービスメニューに公開の URL を発行して、社外の相手に URL 一本で提示できます。

サービスメニューの使いどころは、新しいサービスの型作り、既存の受注業務の再編、期間限定の企画の提示、代理店やパートナーに渡す説明の下地、社内での受注方針の合意など幅広い場面に及びます。Web 制作会社に本番のサービス紹介ページを発注する前段で、見せ方の型を固める共通の下地として置くと、相性が良くなります。

2026 年の更新と、サービスメニュー運用への影響

サービスメニューの実務に効く 2026 年の更新は、順に、4 月 20 日の Live Artifacts、6 月 18 日の Claude Code Artifacts、7 月 13 日の全プラン公開共有の三つです。

4 月 20 日、Cowork の中で Live Artifacts が使えるようになりました。案件の稼働状況、次回の受付枠の残り、キャンペーンの終了までの残り期間などを、生きたままの表示で組み込めます。

6 月 18 日、Anthropic は Claude Code の中から成果物を書き出す機能を、Team と Enterprise 向けのベータで公開しました。公式ブログは「Claude Code は作業の途中経過を成果物として取り込み、Claude Code の仕事を、生きた、共有できる見た目のあるページに変えます」と説明しています。更新のたびに同じ URL の中身が置き換わり、開いたままの相手のブラウザに反映される、この動きが Claude Code Artifacts の要点です。

7 月 13 日、成果物の公開共有が全プランで使えるようになりました。Pro 以上に限られていた公開の URL が、Free にも解放されました。Team と Enterprise は、組織の管理者が外部共有を有効にすると、メンバーが公開の URL を発行できます。

サービスメニューの四段 workflow

Claude Artifacts でサービスメニューを作る流れは、ブリーフ、サービス設計、レイアウト、書き出しの四段に整理できます。

一段目のブリーフは、扱うサービスの中身を Claude に渡す工程です。サービス項目の名前、提供内容、価格の建て方、想定される相手、標準の所要時間、成果物の中身を、短い文で並べて渡します。ここが薄いと、書き出しの一発目の質が上がりません。

二段目のサービス設計は、渡した中身を、相手が選びやすい単位に組み替える工程です。カテゴリの数、並べる順番、目立たせるサービス、パッケージの粒度をこの段で決めます。

三段目のレイアウトは、カテゴリの一覧、サービスのカード、注記の見た目を整える工程です。色、余白、区切り線、値段の書体、行動のボタンの位置を、目に見える要素の名前で伝えます。

四段目の書き出しは、公開の URL の発行と、外部への共有の工程です。パネル右上の共有の操作から公開すると、URL を知っている相手が Claude のアカウントなしで開けます。

四段は、二段目と三段目を何度か往復してから四段目に進む、という進み方が自然です。

サービスメニューの三つの型 - カテゴリ別・パッケージ別・オンデマンド

サービスメニューの見せ方は、三つの型に整理できます。順に、カテゴリ別、パッケージ別、オンデマンドです。三つは排他ではなく、一枚のメニューの中で組み合わせて使うことも多いです。

カテゴリ別は、サービスを分野で分けて縦に積む型です。ブランド戦略、クリエイティブ制作、Web 制作、映像制作といった分類でカテゴリを立て、各カテゴリの下にサービス項目を並べます。取り扱う領域が広い制作会社や、複数の部門を一つの窓口で扱うエージェンシーに向きます。

パッケージ別は、目的や事業の段階に沿って束ねる型です。新規ブランドの立ち上げ一式、既存ブランドの刷新、キャンペーン一巡、店頭の一年運用といった単位でまとめ、含まれる工程と成果物を一つのカードに収めます。相手が案件の全体を先に見て判断する場面に向きます。

オンデマンドは、単発の作業を選んで積み上げる型です。ロゴの一稿、名刺の一版、Web ページの一枚、動画の一本といった単位で並べます。継続契約の下で追加の依頼を受ける場面に向きます。

三つの型を、事業の粒度と相手の意思決定の型に沿って選び、組み合わせて置きます。Claude に依頼するときは「上段にカテゴリ別、中段にパッケージ別、下段にオンデマンドのカードを並べた一枚のサービスメニューを書き出してください」と型の名前で伝えると通じやすいです。

ブリーフに載せる七つの要素

ブリーフに載せる要素は、七つに整理できます。順に、サービス項目の名前、提供内容、標準の所要時間、成果物の一覧、想定される相手、価格の建て方、注記です。

サービス項目の名前は、既存の営業資料の語彙と揃えます。「ブランドリニューアル」「LP 一枚制作」「動画ワンショット」といった、案件名になじむ表記に寄せます。提供内容は、工程を段階で書き出し、各段階で何を届けるかを短い文で並べます。

標準の所要時間は、着手から納品までの目安を日数か週数で書きます。相手側の稟議に響く要素です。成果物の一覧は、納品するファイルの形式、点数、著作権の扱い、修正の回数までを一枚ずつ書き出します。

想定される相手は、業種、規模、稟議の型、担当者の役職を四点で書きます。価格の建て方は、税抜と税込、単発と継続の別、追加費用の発生条件を短くまとめます。注記は、著作権の帰属、再利用の可否、第三者の素材を使う場合の扱い、支払い時期を、下段にまとめます。

この七つを、書き出しの依頼の前にまとめて Claude に渡します。「以下のブリーフに沿って、一枚のサービスメニューの初稿を、カテゴリ別とパッケージ別の二段で書き出してください」と続ければ、初稿が右側のパネルに開きます。

サービス項目の書き方 - 説明・所要時間・成果物・想定範囲

サービス項目の一枚のカードには、四つの要素を並べます。順に、サービスの説明、標準の所要時間、成果物、想定範囲です。この四つが揃うと、相手側で稟議に上げる下地になります。

サービスの説明は二文から四文にまとめます。一文目で何をするかを置き、二文目以降で対象と成果物、期待できる変化を書き分けます。文の長さを揃えると、横並びで読むときに目が止まりません。

標準の所要時間は、「二週間」「一か月」といった単位で書き、繁忙する時期の目安があれば注記に添えます。相手が他社と同時に検討している場面では、この一行が受注確度を左右します。

成果物は、納品するファイルの形式と点数を目に見える単位で並べます。「A4 ワン ページの PDF 一部」「MP4 一本、九対十六と一対一の二版」といった粒度が、読み手に伝わりやすい書き方です。

想定範囲は、含まれる作業と、別途費用が発生する作業の境界を書きます。撮影の別途費用、モデルの手配、翻訳、印刷や物流の扱いを、事前に線引きします。想定範囲を書かない状態で公開すると、受注後の齟齬の元になります。

Claude に伝えるときは「各サービスのカードに、説明・所要時間・成果物・想定範囲の四つの見出しを固定で並べ、順序を全カードで揃える」と依頼します。

価格の見せ方と補足

サービスメニューの価格は、事業の型で見せ方を選びます。単価が明快な役務は税抜と税込の両方を並べ、案件ごとに幅がある役務は「〜円から」の下限だけを書くか、「お問い合わせ」で受注前の相談窓口に流します。

税込と税抜の並べ方は、日本国内向けでは税込の側を大きく見せ、税抜を注記の書体で添えます。国税庁の総額表示のルールに沿うと、この見せ方が既定になります。「〜円から」の書き方は、下限の金額の直後に「から」を置き、上限の目安があれば別の一行で添えます。上限を書かずに下限だけで走ると、営業側の初動が伸びやすくなります。

キャンペーン価格を出す場合は、通常価格と並べて記載し、実績を持たない架空の並列を避けます。景品表示法の二重価格の考え方に沿うと、比較する通常価格が実在した根拠を持てる形に整えます。

FAQ セクションをサービスメニューに添える

サービスメニューの下段には、FAQ を五問から八問の範囲で添えます。相手側が受注前に迷う問いを、想定される順に並べます。「見積りは何日で出ますか」「初回の相談は無料ですか」「途中で範囲を変えたい場合はどうなりますか」「著作権は誰に帰属しますか」「支払いのタイミングは」といった問いが代表的な粒度です。

FAQ を添える理由は、相手の意思決定を、営業窓口に問い合わせる前にサービスメニューの中で完結させるためです。営業側の対応の負担が下がり、受注前の意思決定の速さが上がります。

FAQ の書き方は、質問を疑問符付きの一文で置き、回答を二文から四文で書きます。一文目で結論を置き、二文目以降で条件と例外を書き分けます。この二段の書き方が、読み手の視線を止めない骨になります。書き出された FAQ は、営業側の応対の履歴を突き合わせて、実際に問い合わせが来る順に並べ直します。

公開共有と改定の更新運用

サービスメニューの公開の URL は、パネル右上の共有の操作から発行します。全プランで発行できるようになったのが、2026 年 7 月 13 日の更新です。Team と Enterprise の組織では、外部共有の可否を組織の管理者が決めます。既定は外部共有が無効の状態で、組織の中だけで見せる運用が最初の入口です。

外部共有を有効にした場合、URL を知っている相手が Claude のアカウントなしで開けます。この、閲覧のためのアカウントが要らない点が、サービスメニューを営業メール、商談資料、代理店の説明の中で回すときの敷居を下げます。

改定の更新運用は、Claude Artifacts の強みが出る場面です。書き出されたサービスメニューは、公開後に中身を差し替えても URL を維持できます。差し替えた瞬間、URL を開いている相手のブラウザに更新が反映されます。新しいサービスを追加した場面、料金の建て方を変えた場面、標準の所要時間を更新した場面など、改定のたびに URL を貼り替える手間が発生しません。

差し替えの前には、直前の版のスクリーンショットを社内で保管しておきます。生きた更新の裏返しで、差し替えの前の状態は URL 側には残らないためです。営業側で改定の履歴を残す場合は、成果物の末尾に「更新: 2026 年 8 月 26 日」といった一行を置き、社内の履歴側にも同じ日付で記録します。営業と発注元の間で、どの日付の版で商談したかを揃える下地になります。

Claude Skills との組み合わせで、記述の温度を保つ

Claude Skills を組織で導入している場合、サービスメニューの書き出しに Skills を掛けて、記述の温度を安定させられます。制作会社の Skills には、書体の指定、色の 16 進コード、価格の書き方、税込と税抜の並べ方、注記の語尾、行動のボタンの文言を書きます。Skills の中身は、一つのサービスメニューのためだけに作るのではなく、事業全体で使い回せる粒度で作ります。この点は、姉妹の hub 記事 Claude Artifacts ブランドチーム活用ガイド で詳しく扱っています。

サービスメニューの Skills には、加えて社内の呼称を統一する辞書を組み込みます。「案件」「プロジェクト」「制作」「一式」といった揺れる語を、メニューの中でどれに寄せるかを Skills に書きます。掛けた書き出しは、揺れの少ない状態で右側のパネルに開きます。

特商法・独立当事者性・契約書との切り分け

Claude Artifacts で作ったサービスメニューは、URL を発行して外部に見せる範囲では、エンジニアの手を借りずに完結します。営業の下地、代理店との共通の説明、社内の受注方針の合意といった場面に向きます。

一方で、正式な発注、契約書、支払いや納期の実装、独自ドメインでの本番公開は、別の仕組みと組み合わせます。Claude Artifacts の URL は Claude の側で管理される URL で、独自ドメインへの割り当ては別の実装が要ります。受注書の作成、契約書の締結、請求と入金の管理は、社内の別の仕組みに委ねる前提です。

日本国内向けに料金や決済を伴うサービスを公開する場合、特定商取引法に基づく表示、事業者名、所在地、返品や解約の条件、支払い時期と方法などの必須項目を、本番のサービス紹介ページ側に載せます。Claude Artifacts のサービスメニューは受注前の提示の下地として置き、本番の紹介ページと契約の実務は別で扱う切り分けが向きます。

独立当事者性の観点でも、線引きは重要です。サービスメニュー側の記述は、自社の独立の判断で提示している旨がわかる書き方にします。「相手企業向けに特別に組んだ」という書き方は、契約の性質に影響します。この切り分けは、hub 記事の Claude Artifacts ブランドチーム活用ガイド でも扱っています。

兄弟の受注資産との組み合わせ - ポートフォリオ・料金表・商品カタログ・ブリーフ

サービスメニューは、単体で回すよりも、兄弟にあたる受注資産と組み合わせて回すのが自然です。組み合わせの相手は、上流のポートフォリオ、隣に置く料金表、対の商品カタログ、下流の受注ブリーフの四つです。

上流のポートフォリオは、サービスメニューの URL に到達させる根拠を担います。過去の案件事例と作品の見せ方から、サービスメニューの URL に導く三段の流れが、受注前の相手にとって自然な読み方になります。ポートフォリオの作り方は、姉妹記事の Claude Artifacts でポートフォリオを作る手順 で扱っています。

隣に置く料金表は、サービスメニューと対の役目を担います。メニュー側に対して、価格の型と契約の条件を横一列で比較する場面には料金表が向きます。作り方は、姉妹記事の Claude Artifacts で料金表を作る で扱っています。

対の商品カタログは、物販や有形の成果物を扱う場合の受け皿です。役務の側をサービスメニュー、物販の側を商品カタログで並べると、事業の両面を URL 一本ずつで見せられます。作り方は、姉妹記事の Claude Artifacts で商品カタログを作る で扱っています。

下流の受注ブリーフは、サービスメニューを見て問い合わせに至った相手から、案件の要件を引き出す入口です。サービスメニューの各カード下の行動のボタンから、ブリーフの URL に進む導線を組みます。作り方は、姉妹記事の Claude Artifacts でブリーフを作る手順 で扱っています。

FAQ

Q1. Claude Artifacts でサービスメニューを作るのに、コードの知識は必要ですか

A. 必要ありません。Claude.ai の会話の中で、サービス項目の名前、提供内容、価格の建て方、想定される相手を伝えれば、サービスメニューの初稿が右側のパネルに書き出されます。正式な発注、契約書の締結、決済の受付、独自ドメインでの本番公開は、別の仕組みに委ねます。

Q2. Free プランでもサービスメニューを公開共有できますか

A. できます。2026 年 7 月 13 日の更新で、公開共有が全プランに開放されました。Free の登録の相手でも、書き出したサービスメニューに公開の URL を発行し、社外の相手に URL 一本で提示できます。Team と Enterprise の組織では、外部共有の可否を組織の管理者が決める設定になります。

Q3. サービスの追加や価格の改定のたびに URL は変わりますか

A. 変わりません。同じ成果物を更新して公開すると、同じ URL の中身が置き換わります。開いたままの相手のブラウザに、その場で更新が届きます。差し替えの前の版は URL 側には残らないため、直前の状態を残したい場合は社内でスクリーンショットを保管します。

Q4. 見積前の提示に使うことは、契約や独立当事者性に影響しますか

A. サービスメニューを、自社の独立した判断で提示する体裁で作れば、契約の性質に大きな影響は出ません。相手企業向けに特別に組んだ体裁で提示すると、契約の解釈に影響が及ぶ場面があります。相手の稟議に取り込まれる資料としては、汎用のメニューから相手の関心に合う項目を抜粋して提示する運用が向きます。

Q5. Web 制作会社に依頼するサービス紹介ページとの使い分けは

A. Claude Artifacts で作るサービスメニューは、案件の見積前の提示の下地、営業資料、代理店の説明、社内合意の資料に向きます。Web 制作会社への依頼は、独自ドメインでの本番公開、特定商取引法の必須項目の表示、既存のコーポレートサイトへの組み込みが必要な場面に向きます。二つを切り分けて回すのが、実務での落としどころです。

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