Linear MCP でクリエイティブ運用が変わる場所

制作チームの会話は Slack や Google Docs で走ります。案件チケットは Linear に積まれます。この2つを行き来する時間が制作進行の見えない負荷になります。

Claude と Linear を MCP でつなぐと、この往復を会話側に寄せられます。議事メモから起票できます。コメントから状況更新もできます。レビュー依頼までを Claude の会話で完結できます。

Linear の公式ドキュメントはこう明記します。MCP サーバーは Issue の作成・検索・更新に対応します。Project / Comment / Cycle / Label の管理にも対応します。制作進行で毎日触る操作はこの範囲でほぼカバーできます。

2026-07-28 の MCP 仕様更新で骨格が整いました。ステートレスなコアと OAuth 2.0 / OIDC の認可が入りました。クリエイティブチーム規模でも実運用に耐える構成が組めます。

Claude と Linear MCP の接続構造

Linear は自社ホストの Remote MCP サーバーを公開しています。エンドポイントは https://mcp.linear.app/mcp です。読み取り専用の別エンドポイントも用意されています。https://mcp.linear.app/mcp/readonly を使います。

トランスポートはプライマリが Streamable HTTP です。レガシー互換として SSE も提供されます。仕様は authenticated remote MCP spec (2025-03-26) に準拠します。その後 2026-07-28 の更新に沿った実装に上がっています。

認証は OAuth 2.1 が既定です。動的クライアント登録に対応します。API キーや Bearer トークンでの直接認証も可能です。ただしチーム運用では OAuth 経由の個人スコープが基本形になります。

Claude 側はこの Remote MCP をコネクタとして扱います。Anthropic の公式ディレクトリには 950 以上の MCP サーバーが並びます。そのうち Enterprise Managed Authorization に対応するのは 7 プロバイダです。Linear もそこに含まれます。

接続手順(Claude Desktop / Claude.ai / Claude Code)

Claude Desktop で使う場合を説明します。設定の Connectors から Linear を選びます。案内される OAuth 画面で承認します。Free と Pro のプランでも Connectors から追加できます。

Claude.ai の Team と Enterprise プランは別の入口を持ちます。ワークスペース側の Connectors ページから Linear の接続を有効化します。ワークスペース管理者が接続の可否を制御できます。

Claude Code から使う場合はターミナルで次のコマンドを実行します。

claude mcp add --transport http linear-server https://mcp.linear.app/mcp

追加後に /mcp コマンドで認証フローに入ります。ブラウザの OAuth 画面で承認します。すると Claude Code の会話から Linear の操作が呼べるようになります。

Linear と Claude を最初につなぐ段階で気をつけたい点があります。対象のワークスペースを揃えておくと安全です。本番プロジェクトなのか、検証用のダミープロジェクトなのか。Claude 側の会話履歴と Linear 側の実データが混ざらない前提が作れます。

読み取り専用と読み書きの権限設計

Linear MCP は OAuth スコープに read を持ちます。読み取り専用のトークンで接続する形です。Issue の一覧化や検索、要約はできます。ただし起票や更新は走りません。

制作進行の観測や週次レポート、案件棚卸しの用途を考えます。この用途は読み取り専用スコープで十分にまわります。誤操作の余地を落としたい局面ではこの構成が既定になります。

反対に書き込みたい場合は既定の読み書きスコープで接続します。議事から新規 Issue を起票したい場合や、レビュー結果をコメントで戻したい場合が該当します。誰の権限で書き込むかはそのまま Linear の監査ログに残ります。

チームで複数人が Claude を使う場合の推奨があります。共有の管理者アカウントで接続する形は避けます。各メンバー個人の Linear アカウントで OAuth を通す設計にします。誰が書いた Issue か、誰が付けたコメントかが実データ側で追えます。

クリエイティブ運用で使う主な操作

Linear MCP が提供する操作は主要な層に整理できます。Issue / Comment / Project / Cycle / Label が対象です。制作進行で使う頻度が高い層になります。

Issue は案件チケットに相当します。ブリーフから抽出した要件 / スコープ / 締切 / 担当を Claude が一括で埋めます。そして起票します。手で新規タブを開いてフォームに入れる時間が消えます。

Comment はレビューやフィードバックのやり取りに使います。Claude に「この Issue の直近コメントを要約」と頼めます。長い議論の現在地が短時間で読めます。返信の下書きもその場で作れます。

Project は複数 Issue をまとめる粒度です。キャンペーン単位や制作ブランド単位で切ることが多い層になります。Claude から Project のステータス更新を呼べます。紐づく Issue の一覧化もできます。

Cycle は Linear の反復単位です。制作チームで隔週や月次のリズムを敷いている場合に使います。Cycle 単位で「今週着地する Issue」を Claude に洗い出させます。「持ち越しが多い Issue」も同様です。進行会議の準備が短くなります。

Label は案件の属性を分類する軸です。媒体 / ブランド / 制作フェーズなどのラベルを Claude から付けます。一貫した命名で運用します。後工程での集計精度が上がります。

制作進行を一本の会話にまとめる型

Claude の会話ひとつを「案件の入口」として扱う型があります。実務では組みやすい形です。

会議やヒアリングの音声を書き起こします。Claude に流し込みます。Claude は要点を抽出します。Linear MCP を通じて対応する Project の下に Issue を起票します。担当と締切、参照リンクまで一度に埋めます。

レビュー段階の型はこうです。制作物の URL とレビューコメントを Claude の会話に貼ります。Linear の該当 Issue にコメントとして反映させます。次のアクションが誰に渡るのかをその場で明示できます。

週次の振り返りも会話に載せられます。Claude に Cycle 単位で持ち越しの多い Issue を洗わせます。原因の傾向を要約させます。人手でダッシュボードを見て言語化する時間を短縮できます。

このとき別の MCP を並走させると効きます。ブランドガイドや制作要件の情報源を引き込む構成にします。案件情報とブランド情報が同じ会話面に集まります。公式サーバーの選び方は Claude MCP で使えるクリエイティブ系ツール一覧 に整理しています。

エンタープライズ管理と OAuth 2.1 / Okta 連携

Team と Enterprise の運用には要件があります。個人 OAuth 任せではなく、ワークスペース単位で接続を管理したい局面です。

Anthropic は 2026 年の Claude 側アップデートで Enterprise Managed Authorization を導入しました。立ち上げ時にサポートされたのは 7 プロバイダです。Asana / Atlassian / Canva / Figma / Granola / Linear / Supabase の 7 社が名を連ねます。

管理者の設定手順はこうです。Okta の SAML 設定を行います。Claude 側で MCP enterprise managed authentication を有効化します。Okta の Issuer URI を登録します。メンバーが個別に OAuth を通す手間を減らせます。

この構成は運用面で強みが出ます。Linear 側のアカウント運用と Claude 側のワークスペース運用が一貫します。退職時のアクセス取り消しも一箇所で完結します。制作物や案件情報の管理を長期で回すチームには現実的な設計です。

他の MCP(Figma・Notion)と束ねる

Linear MCP 単体でも案件運用は回ります。ただしクリエイティブ制作では別の要素があります。デザインファイルとブランド資料が別のツールに置かれます。ここを Claude 側で束ねる余地があります。

Figma を MCP でつなぐ場合の手順は別記事に整理しました。Claude MCP から Figma を呼び出す接続手順 を参照してください。Claude の会話から Figma のフレームを直接指せます。レビューを Linear の Issue に流し込む動線が作れます。

ブランドガイドや制作要件の共有にも型があります。Claude Code × Notion でブランド資料を同期する実装ガイド の型が使えます。ヒアリング内容を Notion に置きます。Linear には案件チケットが積まれる構造になります。

ブランド資産をデザインツール側で管理している場合もあります。Claude Code と Figma MCP でブランド資産を同期する実務手順 を併読してください。

ヒアリング自体を Claude 側で仕組み化する道もあります。Claude Artifacts でブリーフを作る手順 を組み合わせます。フォームの入力結果から Linear Issue を起票する流れが組めます。

導入時に見落としやすい点

最初に本番ワークスペースへ接続するのは避けたほうが安全です。読み書きスコープで初回接続すると想定外の副作用が出ます。動作確認の起票がそのまま本番の Issue として残ります。

Claude 側の会話が長くなるほどリスクが上がります。Linear 側で意図しない Issue を大量に起票する誤操作の余地が広がります。会話をひとつの案件粒度に切ります。終わったら新しい会話を開く運用に慣らしておくと安全です。

Cycle 名や Label 名の日本語表記にも注意点があります。Linear 上での見え方に依存します。Claude に指示するときは、Linear の管理画面で使っている名称をそのまま渡します。すると取りこぼしが減ります。

Enterprise Managed Authorization を使う場合の前提もあります。Linear 側の権限は Linear の設定で決まります。Claude 側から見える範囲は接続したメンバーの Linear 権限を超えません。ここを揃えるのは Linear の管理者の役割です。

FAQ

Q1. Claude と Linear MCP をつなぐと具体的に何ができますか

A. Linear の Issue / Comment / Project / Cycle / Label に対する作成・検索・更新を Claude の会話から直接呼べます。議事メモから案件チケットを一括起票できます。レビューコメントを反映できます。Cycle 単位で棚卸しを要約できます。制作進行の実務がすべて会話面に載ります。

Q2. Free / Pro / Team / Enterprise で使える機能に差はありますか

A. Claude Desktop の Free と Pro は Connectors から Linear を接続できます。Claude.ai の Team と Enterprise ではワークスペース側で接続管理が入ります。Enterprise では Okta 経由の Managed Authorization が使えます。Linear 側の機能自体は共通です。差はガバナンス層に出ます。

Q3. 権限管理はどうすればよいですか

A. 個人メンバーは自分の Linear アカウントで OAuth を通します。書き込み履歴が本人に紐づく状態にしてください。読み取り専用の運用でよい業務は readonly エンドポイントを選びます。書き込みの余地を最初から落とすと安全です。共有アカウントでの接続は監査が難しくなるため避けたほうが無難です。

Q4. Claude Code から Linear を扱う場合の手順は

A. claude mcp add --transport http linear-server https://mcp.linear.app/mcp を実行します。次に /mcp で認証フローに入ります。承認後は会話から Linear の操作が呼べます。エディタで開いているブランチ名や PR タイトルを Claude Code が読めます。コード変更と Linear Issue の対応付けが自動化しやすくなります。

Q5. Figma や Notion の MCP と併用できますか

A. 併用できます。Claude 側は複数の MCP サーバーを同時に扱えます。Figma からデザインを引きます。Notion からブランドガイドを引きます。Linear から案件情報を引きます。これらを同じ会話に集められます。クリエイティブチームで案件情報と制作素材を分断せずに扱いたい場合の基本形になります。

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