表示と来歴情報を分ける

EU AI Act第50条は、生成AIシステムの提供者による機械判読可能な識別と、ディープフェイクなどを公開する側の開示を分けています。

画面上のラベルは人が理解するための情報です。メタデータや来歴情報は、ファイルやシステムが出所を確認するために使います。どちらか一方だけを用意すればよいとは限りません。

最初に記録する6項目

  • 使用したサービス、モデル、利用日
  • 入力した写真、映像、音声、文章
  • AIで生成・加工した範囲
  • 人が編集・承認した範囲
  • 書き出し後に残った識別情報
  • 公開地域、媒体、公開日

外部の制作会社を使う場合は、この記録を納品条件へ含めます。

編集でメタデータが消えることがある

生成時に付けられた情報が、画像の圧縮、動画編集、書き出し、配信プラットフォームへの投稿で失われる場合があります。生成直後のファイルだけでなく、納品データと公開データも確認します。

ファイル名や担当者の記録だけに依存せず、元データと公開版の対応関係を管理します。

編集責任を明確にする

公共の利益に関する文章では、人が確認し、編集責任を持つ主体が存在するかが開示義務の判断に関係します。AIで文章を作ったかだけではなく、誰が内容を確認し、公開責任を負ったかを残します。

広告やブランドコンテンツでも、表示、権利、事実確認の担当者を分けず、最終承認者を一人決めます。

適用時期を一律に扱わない

第50条の透明性ルールは2026年8月2日から適用されます。一方、同日前に市場投入された生成AIシステムの機械判読可能なマーキング義務には、2026年12月までの限定的な猶予があります。

利用するシステムの市場投入時期と、コンテンツを生成した時期を分けて確認します。

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