Higgsfield Speak v2とは

Higgsfield Speak v2は、Higgsfield AIが2025年9月19日に公開したLipsync Studioの中核モデルである。公式ローンチ動画では、Lipsync Studioを「Speak 2.0、Unlimited InfiniteTalk、Sync.so、Kling Lipsync、Kling AI Avatar、Veo 3」を含む複数モデルの統合画面として紹介している。この中でSpeak 2.0は、Higgsfieldが自社で開発・提供する唯一のリップシンクモデルであり、外部モデルと同じ画面から選択して呼び出せる。

Speak v2は「顔の入力」と「音声の入力」を受け取り、話す動画を出力するタイプのモデルである。台詞そのものは生成しない。台本は事前にHiggsfield Audio、外部のTTSサービス、または実際の録音で用意し、Speak v2は口・顎・表情の同期処理を担当する分担になっている。

同社は音声側の再設計を2026年8月10日のChangelogで告知しており、Higgsfield Audioへ新モデルQwenが加わり、感情・出力形式・ピッチの詳細設定が個別項目として画面に並んだ。Speak v2に渡す音声の作り込み精度は、この更新以降さらに引き上げやすくなっている。

Lipsync Studio内でのSpeak v2の位置づけ

Lipsync Studioは、リップシンクに使えるモデルを一つの画面に集約している。公式ローンチ時点で列挙されているモデルは次のとおりである。

  • Speak 2.0(Higgsfield自社モデル)
  • Unlimited InfiniteTalk
  • Sync.so
  • Kling Lipsync
  • Kling AI Avatar
  • Google Veo 3(1080pクリップあたり58クレジット)
  • Wan 2.5 Speak
  • Kling 2.6
  • Kling Avatars 2.0

Speak v2は、Higgsfield社が自社で品質と挙動をコントロールできる唯一の選択肢である。外部モデルは提供元のアップデートに追随する一方、Speak v2はHiggsfield側の改修サイクルで挙動が変わる。ブランド案件で「同じ顔・同じ口の動き」を長期間にわたり再現する必要がある場合、モデル依存の再現性を担保しやすいのは自社モデルであるSpeak v2側になる。

素材ごとに向くモデルは異なる。速報でとにかく口を動かしたいならInfiniteTalk、既存アバターとの相性ならKling系、映像生成と音声を一括で作りたいならVeo 3が候補になる。Speak v2は「実写に近い顔・落ち着いた喋り・複数カットにまたがるブランド動画」に向く選択肢として位置づけられる。

動画:Higgsfield AI 公式チャンネルより引用

Speak v2の基本ワークフロー

Speak v2を業務で回す標準手順は、次の5ステップに整理できる。

  1. 台本の確定:ナレーション原稿、キャッチコピー、字幕テキストを先に確定する。修正はここで終える
  2. 音声トラックの用意:Higgsfield AudioのVoiceover、外部TTS、または実録音でWAVまたはMP3を用意する
  3. 顔素材の準備:正面〜斜め45度で顔全体が写った動画または静止画を用意する。口元が見切れていないことが条件
  4. Lipsync Studioでモデル選択:Speak 2.0を選び、音声トラックと顔素材をアップロードする
  5. 生成・確認・部分再生成:出力を通しで再生し、違和感のある区間だけシード変更で再生成する

音声を先に確定させるのは、映像側の尺と、Speak v2が読み取る発音の起点を固定するためである。台本を後から差し替えると、口の動きと表情の再生成が一からやり直しになる。ブランド案件では、コピーとテロップ・音声の三点セットをまとめて承認してからLipsync Studioに入る運用にしておくと、クレジット消費が予測可能になる。

音声側の準備で押さえる点

Speak v2の口の動きは、渡した音声の質にほぼ比例する。実務では次を先に整える。

  • 単一話者・単一マイクで録音する。話者が入れ替わるとリップシンクの精度が落ちる
  • 無音区間を短く保つ。長い無音は口が閉じたまま止まって見える
  • 数字・単位・固有名詞は読み仮名を確定する。「3%」「XR-100」など、TTS側で誤読しやすい語は台本段階でカタカナ表記に置き換える
  • 感情タグを角括弧で挟む。Higgsfield公式のLipSync解説は「感情ヒントを含む会話的な台本」を推奨する
  • サンプルレートは48kHzに統一する。混在するとリップシンク精度に影響する

Higgsfield Audioで音声を作る場合、2026年8月10日以降の再設計版では、感情・出力形式・ピッチをUI上で個別に指定できる。プロンプト側で意図を明示しつつ、UI側で最終値を微調整する二段構えが、Speak v2に渡す音声トラックの品質を最も安定させる。

Cinema Studio・Soul IDとの連携

Higgsfield Speak v2は、単体ではなくCinema StudioやSoul IDと組み合わせる前提で設計されている。連携の入口は次のとおりである。

  • Cinema Studio:カメラ演出プリセット付きで映像を先に生成し、そのままLipsync StudioでSpeak v2に渡す
  • Soul ID:登場人物の顔・体格・服装を1度登録すれば、複数カットで同じ人物として映像を生成できる
  • Higgsfield Audio:Voiceover、Voice Swap、Translateで用意した音声トラックを、そのままSpeak v2の音声入力に流し込める

Soul IDで登録した人物は、Cinema Studioで動きのある映像を作り、その映像へSpeak v2で発話を乗せる、という3段の連携が可能である。この流れを1つのアカウントで完結できる点が、Higgsfieldの制作画面の設計上の強みになる。

シリーズ物のブランド動画では、Soul IDで人物を固定し、Cinema Studioで各カットの構図を固定し、Speak v2で発話部分だけ差し替える運用にすると、シーズン更新のたびに人物を作り直さずに済む。

対応言語とTranslate連動

Speak v2そのものは、渡した音声トラックに対して口を合わせる処理を担当する。したがって「Speak v2の対応言語」は、実質的にHiggsfield Audioや外部TTSがサポートする言語範囲で決まる。

Higgsfield Audioは、公式ブログ時点で次の対応数を掲げている。

  • Voiceover(TTS):70言語以上
  • Voice Changer:74言語以上
  • Translate(動画翻訳+リップシンク):18言語(2026年8月10日更新)

Translateは、既存動画の音声を別言語に置き換えたうえでリップシンクまで合わせる機能である。日本語で制作したブランド動画を英語版・韓国語版・中国語版に展開する用途では、TranslateとSpeak v2を使い分けることになる。ゼロから発話を作るならSpeak v2、既存動画の言語差し替えならTranslate、という切り分けが実務では扱いやすい。

料金とクレジット

Higgsfieldはクレジット制で、Speak v2の生成もこのプールから消費する。個人向けプランは公式料金ページで、Starter、Plus/Pro、Ultra/Maxの三段階で案内されている。

  • Starter / Basic:月額9ドルから、月120〜270クレジット
  • Plus / Pro:月額29ドルから、月600〜1,200クレジット
  • Ultra / Max:月額79ドルから、月1,800〜9,000クレジット

Lipsync Studio内のモデル別クレジット消費は、モデルによって差がある。公式が数値を明示している例として、Google Veo 3は1080pクリップあたり58クレジットが案内されている。Speak v2を含む他モデルの単価は、生成前のボタン近くに表示される消費見込みで確認する運用になる。

地域、キャンペーン、契約時点によってプラン名と価格は変わる。実際の月額と付与クレジット、更新日はアカウント画面での確認が必要である。

商用範囲と権利

Higgsfieldの利用規約は、利用者が入力した素材と生成結果について同社が所有権を主張せず、生成結果の商用利用も制限しないと定めている。Speak v2で生成した動画にも、この方針が適用される。

一方で、利用者側に残る責任は明確である。

  • 台本、音声、顔素材の権利処理
  • Voice IDや顔の学習に使った本人からの同意取得
  • 楽曲・効果音・既存キャラクター音声など第三者素材の権利確認
  • 生成結果を配信する国・媒体ごとの表示義務と規制対応

2026年7月26日更新の利用規約では、通常契約で入力と生成結果をHiggsfieldのモデル改善に使う場合があると明記されている。Enterprise Agreementでは、顧客コンテンツを学習に使わず機密情報として扱うとされている。未発表商品のCM、経営層の発話動画、顧客企業のブランドキャラクター音声など、機密性が高い素材をSpeak v2で扱う場合は、契約形態と学習利用の可否を事前に確認する必要がある。

ブランド企業での実務ユースケース

Speak v2をブランド企業で使う場面は、大きく三つに整理できる。

経営層メッセージ動画

決算説明、周年メッセージ、社内アナウンスなど、経営層が話す動画をSpeak v2で作る用途である。実写素材が1本あれば、台本と音声を差し替えるだけでバリエーションを増やせる。事前に本人合意、台本承認、公開媒体の範囲を文書化しておくと、社内稟議が通りやすい。

ブランドキャラクター発話動画

Soul IDで登録したブランドキャラクターに、Cinema Studioでカメラワークを付け、Speak v2で発話させる用途である。キャラクター一貫性、動き、発話をそれぞれ独立に差し替えられるため、SNS投稿の連続シリーズやキャンペーン動画で相性が良い。

多言語版の吹き替え

日本語版で制作したブランド動画を、英語・中国語・韓国語版に展開する用途である。既存映像の言語差し替えはTranslate側で処理し、新規カットの発話追加はSpeak v2で処理する。二機能を目的別に使い分ける運用にしておくと、案件全体のクレジット消費と工数が読みやすくなる。

いずれの用途でも、Speak v2の出力は下ごしらえであり、最終尺の口・表情・視線・音の整合は、制作担当が通しで確認する工程を組み込む必要がある。

画像生成・動画生成モデルの全体像を見る

Higgsfield Speak v2 のよくある質問

Speak v2は音声も同時に生成できるのか

Speak v2は音声を生成しない。口と表情の同期を担当するモデルであり、音声トラックは事前にHiggsfield Audio、外部TTS、または実録音で用意する必要がある。音声と映像を1本の生成で完結させたい場合は、Veo 3など映像+音声同時生成モデルを選ぶ判断になる。

Speak v2で使える顔素材の条件は

正面から斜め45度程度の範囲で、顔全体、特に口元がフレーム内に収まっている素材が前提である。強い逆光、大きな顔遮蔽物、極端な広角レンズは口の動きの再現性を下げる。実写素材でも、AI生成素材でも、この条件を満たしていれば入力できる。

Speak v2とSpeak 2.0は同じものか

同じである。公式表記は「Speak 2.0」であり、Lipsync StudioのモデルリストにもSpeak 2.0として掲載されている。本記事では検索表現に合わせSpeak v2の表記を併用しているが、指すモデルは同一である。

生成した動画はそのまま公開できるのか

商用利用は規約上制限されないが、台本の権利、顔素材の同意、翻訳先言語での表現の適切さは利用者側で確認する必要がある。経営層や外部タレントの顔を使う場合は、公開媒体、期間、地域の合意を事前に文書化しておく前提となる。

対応モデルや対応言語の最新情報はどこで確認するのか

対応モデルや対応言語の追加は、Higgsfieldの公式Changelog(creator-hub/changelog)で告知される。2026年8月10日にはAudio再設計と18言語対応が案内された。実運用前にChangelogの最新エントリで、現在の対応範囲を確認しておくとよい。

Higgsfield Speak v2 は音声を先に固めて渡すのが基本

Higgsfield Speak v2は、Higgsfield自社のリップシンクモデルであり、Lipsync Studio内でSpeak 2.0として選択して使う。台本と音声を先に固め、顔素材を条件を満たす形で用意すれば、Cinema StudioやSoul IDとつないでブランド動画の発話部分を安定して生成できる。

初めて業務に組み込む場合は、台本、音声トラック、顔素材、公開媒体の権利範囲の四つを先に固めてから、モデル選択と部分再生成に入るのが確実である。

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