モデル、サービス、機能を分けて理解する

モデルは、入力された文章や画像などをもとに、新しい画像や動画を出力する機械学習の仕組みです。サービスは、そのモデルを組み込み、画像や動画の生成・編集機能を利用者へ提供する製品です。Web版、アプリ、APIは、サービスを利用するための手段です。

一つのサービスで複数社の画像・動画生成モデルを選べる場合があります。反対に、一つのモデルが複数のサービスへ組み込まれることもあります。契約したサービス名だけを見ても、実際にどのモデルを使ったかは分かりません。

「文章から画像を作る」「静止画をもとに新しい映像を生成する」といった項目は機能です。後者は画像を入力に使いますが、出力は時間に沿って変化する映像なので、画像から動画を作る機能として区別します。

言葉 何を指すか 確認例
モデル 画像や動画を生成・編集する機械学習の仕組み。 制作記録に選択したモデル名を残す。
サービス モデルを組み込み、生成・編集機能を提供する製品。 契約先、プラン、保存先を確認する。
機能 文章から画像、画像から動画などの操作。 入力、出力、設定項目を確かめる。

画像と動画の違いを六項目で比べる

画像と動画の生成モデルは、次の六項目で分けると理解しやすくなります。すべてのモデルが同じ入力や出力に対応するわけではないため、実際の仕様は提供元の公式資料で確認します。

比較項目 画像生成モデル 動画生成モデル
主な出力 一枚または複数枚の静止画。 時間に沿って変化する映像。モデルによって音声も含む。
主な入力 文章、参照画像、編集対象、変更範囲など。 文章、開始画像、終了画像、参照動画、動きの指示など。
時間の扱い 一つの時点の構図、形、色、文字を扱う。 前後の場面、動き、カメラ、被写体の連続性を扱う。
評価 構図、細部、文字、商品や人物の正確さ、解像度。 各場面の画質に加え、動き、ちらつき、形の変化、音との一致。
修正 画像全体または指定した部分を直す。 修正する場面や時間を決め、前後のつながりも確かめる。
選定 静止画の用途、必要なサイズ、編集方法から選ぶ。 映像の長さ、動き、音、書き出し、後編集から選ぶ。

画像生成と動画生成を一つの総合点で順位付けしても、企業側の選定には使いにくくなります。最終成果物が静止画か映像かを決め、それぞれに必要な確認項目を置きます。

入力素材は似ていても、使われ方が違う

画像生成モデルでは、文章だけで新しい画像を作るほか、手元の画像を参照して構図や色、画材の質感を変えたり、指定した部分だけを直したりします。Googleの公式画像生成ガイドでも、文章による生成、参照画像を使う編集、指定部分の変更といった方法が案内されています。

Google AI for Developersの画像生成ガイド

動画生成モデルでも、文章や画像を入力に使います。画像は、開始場面、終了場面、被写体や構図を示す参照などに使われますが、指定できる役割はモデルや機能によって異なります。Adobeの公式ヘルプでは、文章と開始・終了の画像を組み合わせて動画を作る手順が案内されています。

Adobe Firefly「画像を使って動画を生成する」

同じ商品写真を入力しても、画像生成では背景を変えた一枚の案を作り、動画生成では商品やカメラがどう動くかを加えます。入力素材が同じだからといって、確認する項目まで同じにはなりません。

動画では時間に沿った変化を評価する

画像は、一枚を止めて細部まで確かめます。商品の形、色、文字、ロゴの位置、背景との境界など、公開する一枚の中で問題を探します。

動画は、各場面を一枚ずつ見ると形や色に問題がなくても、再生すると被写体の形や色が途中で変わる場合があります。人物や商品の特徴、物の位置、明るさや影の向き、背景を保てているかを、最初から最後まで見ます。カメラの動きが指示と合うか、不自然なちらつきがないかも別に確認します。

音声を同時に作れる動画生成モデルもありますが、すべてではありません。音声を含む場合は、話者の口の動き、台詞、音楽、効果音が映像と合っているかが評価項目へ加わります。

Googleの公式動画生成ガイドは、文章から動画、画像から動画、既存動画をもとにした生成など、入力方法を分けて案内しています。モデルごとに使える入力、映像の長さ、出力形式が異なるため、比較時には条件をそろえます。

Google AI for Developersの動画生成ガイド

修正する単位が異なる

画像生成では、採用する一枚を選び、生成前の商品画像と照合して形や表示内容を直す、背景だけを変える、文字を直すといった修正を行います。部分修正に対応する範囲はモデルやサービスによって異なりますが、確認対象は一枚の中に収まります。

動画の修正では、どの場面から崩れたかを探します。一場面を直しても、前後の動きが合わなくなることがあるため、修正した時間帯を再生して確かめます。生成画面だけで完結せず、映像編集ソフトでカットを並べ、長さ、音、文字、色を仕上げる工程もあります。

Adobeの公式動画では、文章から短い映像素材を作り、映像編集へ組み込む例が示されています。動画生成モデルが一本の完成映像を自動で仕上げるという説明ではなく、生成した映像を編集工程で使う紹介です。

動画:Adobe 公式チャンネルより引用

画像生成モデルで基礎となる静止画を作り、その画像を動画生成モデルへ渡す方法もあります。この場合、画像と動画のどちらか一方を選ぶのではなく、構図を決める工程と動きを作る工程で使い分けます。

比較試験は画像と動画で分ける

モデルを試すときは、画像と動画を同じ指示文だけで比べません。出力の役割が違うため、次のように条件を分けます。

画像生成モデルを比べる条件

  • 同じ文章と参照画像を使う。
  • 画像サイズと縦横比をそろえる。
  • 構図、商品、人物、文字、部分修正を同じ順で確かめる。
  • 採用案と不採用案、人が直した箇所を残す。

動画生成モデルを比べる条件

  • 比較対象が共通して対応する入力方法を選び、文章、画像、指示、長さ、縦横比の条件をそろえる。
  • 被写体、カメラ、背景の動きを同じ項目で確かめる。
  • 各場面の画質と、前後の連続性を分けて見る。
  • 再生成、外部編集、音の追加に必要だった作業を残す。

同じモデルでも、利用するサービスやプランによって設定項目、出力形式、保存方法が違うことがあります。試験記録には、モデル名とサービス名を別々に書きます。

企業は完成物と確認方法から選ぶ

最初に「どのモデルが高性能か」を決めるのではなく、公開するものと確認方法を先に決めます。

静止画だけを作るなら、画像生成モデルを中心に、必要な画像サイズ、文字、商品再現、部分修正を確認します。映像を作るなら、動画生成モデルの長さ、動き、連続性、音、書き出しを確認し、生成後に必要な編集作業と、その作業に使う映像編集ソフトも確かめます。

短い映像でも、企画用の静止画、開始画像、動画素材、文字、音を別々に作る場合があります。制作工程を書き出し、どの工程に画像生成モデルを使い、どこから動画生成モデルへ渡すかを決めると、必要なモデルを選びやすくなります。

選定前に、次の六点を確認します。

  1. 最終成果物は静止画か映像か。

  2. 自社で入力できる素材は何か。

  3. 商品や人物の形・特徴、色、構図のうち、生成前後で変えたくない要素は何か。

  4. 誰が画像の細部と動画の連続性を確認するか。

  5. 生成後にどの編集ソフトと担当者が必要か。

  6. 利用条件、入力データ、保存、書き出しをどこで確認するか。

現行モデルを画像と動画に分けて比較したい方へ

ここまでの六項目は、画像と動画を混同せずに選ぶための基礎です。AIGC TIMESでは、画像生成と動画生成を別章に分け、モデル単位で確認できる「2026 H2 画像生成/動画生成モデル カオスマップ」を公開しています。

画像生成/動画生成モデル カオスマップの内容を見る

画像生成と動画生成を確認した公式情報


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