静止画バナーをRay3で動画にした

対象となったのは、電通デジタルとゴルフダイジェスト・オンラインが共同で設立した「GDO AI-Lab」の広告施策です。アプリのダウンロードを促す静止画バナーをもとに、Ray3で複数の動画バナーを作り、実際に配信して結果を確かめました。

公式ページには、黄色い背景に「在庫処分SALE」と書かれた元画像と、文字や周囲の図形に動きを加えた動画版が並んでいます。新しい映像企画を一から立ち上げるのではなく、既存の広告バナーをもとに動画を作った事例です。

電通デジタル公式発表で動画バナーを見る

制作から配信まで、公式発表で確認できる流れ

電通デジタルの発表から確認できる流れは、次の4段階です。

  1. アプリのダウンロードを促す静止画バナーを用意する
  2. Ray3を使い、静止画から動画バナーを複数作る
  3. 対象者や訴求内容に合わせて広告を配信する
  4. インプレッション数とインストール数を確認する

AI動画のデモを作って終わるのではなく、広告として配信し、結果まで確認したところに意味があります。静止画を動画に変える作業と、誰に何を見せるかを決める広告運用を同じ施策の中で行っています。

ただし、生成した動画の本数、採用した案の数、人が加えた修正、Ray3に入力した指示は公開されていません。確認できるのは、既存の静止画を動画化し、配信結果まで測ったという全体の流れです。

制作時間は約1時間。インストール数は8倍増加

電通デジタルが公表した数字は、次の3つです。

  • 動画バナーの制作時間:約1時間
  • インプレッション数:2500%
  • インストール数:8倍増加

約1時間という制作時間に加え、アプリのインストール数も公表されているため、制作と配信の結果を一つの事例として確認できます。生成AIで動画を作って終わらず、完成した動画を広告として配信し、利用者の行動まで測った事例です。

一方で、約1時間に素材整理、生成、選定、修正、書き出し、入稿のどこまでが含まれるかは公表されていません。自社で同じ方法を試す場合は、作業時間を工程ごとに記録しておくと比較しやすくなります。

「2500%」は公式発表の表記をそのまま読む

インプレッション数の「2500%」について、電通デジタルの見出しには「従来と比較しインプレッション数2500%」、本文には「インプレッション数が2500%」「2500%向上」と記載されています。

比較対象となった広告、配信期間、広告費、掲載面などは公開されていません。そこで本記事では、倍率へ置き換えず、電通デジタルが公表した「2500%」という表記をそのまま掲載しています。

広告の成果は、クリエイティブだけでなく、配信量、対象者、時期、掲載面によっても変わります。自社で検証するときは、元の静止画と動画版の配信条件をそろえ、どの変更が結果に影響したのかを確認する必要があります。

ブランド企業が参考にできる3つのポイント

1. 既存の静止画から始める

最初から長い映像を企画する必要はありません。すでに配信している静止画をもとに動画を作れば、既存バナーと動画版の結果を比べられます。

2. 複数案を作り、配信結果で比べる

電通デジタルは、複数の対象者に合わせた動画を作り、効果検証まで短時間で行えると説明しています。生成した本数だけを成果とせず、実際の配信結果まで比べることが重要です。

3. 制作条件と配信条件を一緒に残す

制作時間だけを記録しても、広告としての良し悪しは判断できません。元画像、生成した本数、採用理由、人が修正した箇所、広告費、配信期間、対象者、掲載面を残しておくと、次の施策でも判断材料として使えます。

AIクリエイティブを社内で試す際の進め方を整理したい方は、AIGC TIMESの無料メソッドも参照できます。

Luma公式が2025年9月に公開したRay3発表ページ

画像:Luma公式サイトの公開画面(引用)。本事例で使用されたRay3の発表ページです。

Ray3はLuma AIの動画生成モデル

Ray3は、Lumaが2025年9月18日に発表した動画生成モデルです。Lumaは発表時、短時間で映像案を試すDraft Mode、HDR動画の生成、1080p出力などを主な特徴として紹介しました。電通デジタルの事例は、その約1か月後に発表されています。

Lumaの公式情報によると、執筆時点では、Lumaの現行動画モデルはRay3.2です。本事例で使われたのは2025年当時のRay3であり、Ray3.2の機能説明と混同しないようにしてください。また、GDOの広告でHDRや4K出力を使ったかどうかは、電通デジタルの発表からは確認できません。

公式動画・公式情報

LumaはRay3の発表日に、モデルの特徴と生成例をまとめた動画「This is Ray3」を公式YouTubeで公開しました。電通デジタルの広告そのものではありませんが、本事例で使われたRay3が当時どのようなモデルとして発表されたかを映像で確認できます。

動画:Luma 公式チャンネルより引用


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