速く作れることと、価値が増えることは同じではない
公開要約で特に具体的なのが、制作料金の扱いです。D&ADは、AIで作業が速くなったにもかかわらず、回答対象となったエージェンシーの70%が料金を変えていないと説明しています。そのうえで、納品作業の速さではなく、判断や知的財産に対価を置く動きを紹介しました。
ここで示された70%は、D&ADの公開要約に記載された数値です。調査対象の選び方や設問、地域別の内訳などは公開ページだけでは確認できないため、市場全体の比率として一般化はできません。
若手向けの仕事が減ると、判断力を学ぶ機会も減る
人材育成も中心論点です。D&ADは、若手が反復作業を通じて判断力を身につけてきた一方、その仕事をAIが担うことで、将来のリーダーを育てる入口が細くなる可能性を指摘しています。単純作業を減らすだけでなく、批評する力や文化を読む力を、若手の仕事として意図的に設計し直す必要があるという整理です。
このほか、公開要約は次の6項目を掲げています。
- 平均的な出力に寄りやすいAIと、独自性を生む人の判断
- 短縮できた時間を、より深い企画へ使えているか
- 制作が速くなった後の料金と価値の決め方
- 若手が実務で学んできた機会をどう残すか
- AI利用方針を明文化し、社内の判断基準をそろえること
- 経営・制作責任者がAIを理解し、使う条件を設計すること
公開ページと完全版は分けて確認する
D&ADの紹介ページでは、完全版を読むにはフォームへ情報を入力し、メールで受け取る手順が案内されています。公開ページには197人への聞き取りと6論点、70%という数値が掲載されていますが、完全な調査方法や全データは載っていません。
そのため、社内資料で数値を引用する場合は「D&ADの公開要約による」と出典範囲を明記し、母集団や設問が必要な判断では完全版の確認が必要です。本稿ではフォーム送信やレポートの再配布を行わず、公式ページへのリンクだけを掲載しています。
D&AD「AI & Creativity Report 2026」の公式情報
- D&AD公式の公開要約:公開日、調査対象、6論点、70%の記載、完全版の入手方法
- STASHの紹介記事:本件を発見した専門媒体記事
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