Recraft APIとは|デザインAIをコードから呼び出す仕組み

Recraft API は、Recraft, Inc. が提供する画像生成AIをHTTPで呼び出せる仕組みです。Recraft Studio のWeb/モバイルアプリで使える機能の多くを、コードから直接叩けます。

対象は、text-to-image、image-to-image、インペイント、アウトペイント、背景差し替え、ベクター化、背景削除、アップスケール、スタイル生成、プロンプト強化などです。文章から画像を作るだけでなく、既存素材の編集や、SVGへの変換まで一つのAPIで完結する設計になっています。

Recraft公式ブログは、自社APIを「唯一、SVGを標準出力できる画像生成API」と位置付けます。写真的な一枚絵ではなく、ロゴ、アイコン、ベクター、モックアップといった「そのまま納品物に載せられる素材」を作る用途に軸足があります。

Recraft APIキーの発行手順|「ユニット残高」が前提

Recraft APIを使う最初の一歩は、キー発行です。公式ドキュメントは手順を「Recraftにログインし、プロフィールに入り、Generateを押す」と記載しています。

プロフィール画面のURLは https://app.recraft.ai/profile/api です。ただしキーの発行ボタンは「APIユニット残高がゼロより大きい場合のみ」表示されます。事前にAPIユニットを購入しておく必要があります。

同じアカウントで複数のキーを発行できます。ただし公式は「複数トークンを発行しても、ユニット残高は全トークンで共有される」と明記しています。用途別にキーを分けても、消費は一つの残高から差し引かれる設計です。

Recraft APIの認証とベースURL|OpenAI互換ライブラリでも呼べる

Recraft APIの認証は、Bearerトークン方式です。HTTPヘッダに Authorization: Bearer RECRAFT_API_TOKEN を付けて送ります。

ベースURLは https://external.api.recraft.ai/v1 です。REST準拠なので、curlや任意の言語のHTTPクライアントから叩けます。

公式はPython実装として、OpenAIのクライアントライブラリを転用する方法を紹介しています。初期化時に base_url を Recraftのエンドポイントへ差し替え、api_key に Recraftのトークンを渡すだけで、images.generate の呼び出しが通ります。ただし公式は「OpenAIライブラリ経由では、一部のパラメータが未対応または解釈が異なる」と注記します。細かい制御は素のHTTPリクエストで送るのが確実です。

Recraft APIの text-to-image の使い方|最小リクエストと必須パラメータ

text-to-image のエンドポイントは /v1/images/generations です。POSTリクエストで、必須パラメータは prompt の一つだけです。

公式ドキュメントの最小サンプルは、次の形です。

curl https://external.api.recraft.ai/v1/images/generations \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -H "Authorization: Bearer $RECRAFT_API_TOKEN" \
  -d '{"prompt": "two race cars on a track", "model": "recraftv4_1"}'

任意で渡せるパラメータは、n(生成枚数)、modelstylestyle_idsizenegative_promptrandom_seedresponse_formattext_layoutcontrols などです。

レスポンス形式は urlb64_json の二択です。デフォルトは url で、生成画像のURLが返ります。CDN配信されたURLを画像タグに直接埋めるか、そのURLをダウンロードして自社ストレージへ保存する運用が想定されています。

選べるモデルとデフォルト|V2 / V3 / V4 / V4.1 の16種

Recraft APIから呼べる生成モデルは、公式ドキュメントの一覧で16種です。世代別に整理すると、V2、V3、V4、V4.1 の四系統があります。

各世代には、ラスター用とベクター用の派生があります。V4 と V4.1 には、より高精細な出力を返すProバリアントが用意されています。V4.1 にはさらに、フラットで予測可能な出力に振ったUtilityバリアントも追加されました。

model パラメータを省略した場合のデフォルトは recraftv4_1 です。最新の標準ラスターモデルが自動的に選ばれる設計で、指定なしで叩けば2026年時点の推奨モデルが返ります。

用途別の目安は次の通りです。ロゴやアイコンなど輪郭が主役の素材は _vector サフィックスのモデル、写真的な広告ビジュアルは Proバリアント、シンプルなインフォグラフィックや量産用途は Utilityバリアントを選びます。既存プロジェクトで V3 を指定してきた場合は、recraftv3 の指定を残せば同じモデルで生成が続きます。

スタイル指定の使い方|プリセットと custom style_id

Recraft API は、style パラメータでプリセットスタイルを指定できます。ベーススタイルは anyrealistic_imagedigital_illustrationvector_illustrationiconlogo_raster の六種です。

各ベーススタイルの下には、より具体的なサブスタイルが並びます。V3 だけで「Photorealistic 21種、Illustration 51種、Emblem 5種」、V3 Vector で22種、V2 側にも数十種類のプリセットがあります。ブランドの世界観に近いプリセットを選ぶだけで、方向性の揃った出力に寄せられます。

ブランド固有の見た目を再現したいときは、カスタムスタイルを作れます。/v1/styles エンドポイントに参考画像を送るとスタイルIDが返り、以降は生成リクエストの style_id にそのIDを渡すだけで同じ世界観の絵を量産できます。ただし公式は「API経由で作ったカスタムスタイルは V3 と V3 Vector にのみ対応」と注記します。V4系で使うカスタムスタイルは、Recraft Studio側で作る必要があります。

text-to-image 以外のエンドポイント|編集・変換系の全体像

Recraft API は、生成以外の編集系エンドポイントも並列で提供します。text-to-image と組み合わせれば、生成から仕上げまで同じAPIで完結します。

主な編集系は次の通りです。/v1/images/imageToImage は参考画像とプロンプトから派生画像を作ります。/v1/images/inpaint はマスクで指定した領域だけを塗り直します。/v1/images/outpaint は元画像の外側へキャンバスを広げます。/v1/images/replaceBackground/v1/images/generateBackground は背景の差し替えと生成に対応します。

変換系のエンドポイントも豊富です。/v1/images/vectorize はラスター画像をSVGに変換します。/v1/images/removeBackground は背景を透過処理します。/v1/images/crispUpscale/v1/images/creativeUpscale はそれぞれ、原画に忠実な高解像度化と、AIが追加ディテールを補う高解像度化を行います。/v1/prompts/enhance は短い指示文をより長く詳細なプロンプトへ書き直します。

Recraft APIの料金|1画像あたりの単価と課金単位

Recraft APIの課金単位は「APIユニット」です。公式は「$1.00 = 1,000 APIユニット」と明記しています。ドル建てで前払い購入し、リクエストごとに残高が減る仕組みです。

主なテキスト画像生成の単価は、公式ドキュメントによると次の通りです。V4.1のラスターは $0.035、ベクターは $0.08、Proラスターは $0.21、Proベクターは $0.30 です。V4のラスターは $0.04、ベクターは $0.08、Proラスターは $0.25、Proベクターは $0.30 です。V3のラスターは $0.04、ベクターは $0.08 です。V2のラスターは $0.022、ベクターは $0.044 で、旧世代モデルほど単価が下がります。

編集・変換系の単価も低めに設定されています。ベクター化と背景削除は各 $0.01、プロンプト強化は $0.01、Crisp Upscaleは $0.004、Creative Upscaleは $0.25 です。カスタムスタイル生成は $0.04、Variate Imageは $0.04、Erase Regionは $0.002 です。

購入したユニットは、非返金・キャンセル不可です。公式は「すべてのAPIユニットパッケージは、キャンセル不可・返金不可」と明記します。少額から購入して使用感を確かめる運用が現実的です。

Recraft APIを使うときの注意点|商用利用と非返金条件

商用利用の可否は、Recraft公式ブログが「有料プランと有料生成画像には、完全な商用権が付与される」と明記しています。API経由の生成は購入したユニットを消費するため、有料生成に該当します。ロゴ、広告バナー、商品ビジュアルなど、商用の納品物として使えます。

一方で、無料プランのWebアプリで作った画像は、商用権が付かない場合があります。API経由に統一しておけば、商用可否のグレーゾーンを心配しなくてよくなります。

もう一つの注意は、モデルごとの機能差です。カスタムスタイルのAPI作成は V3 と V3 Vector のみ対応、text_layout の細かい制御は V3 が最も強い、Proバリアントは仕上がりが高精細な代わり単価が上がる、といった差があります。実装前に、想定用途で使うモデルを一つ決めておくと、後から料金が読めなくなる事態を避けられます。

他モデルとの使い分け|デザイン用途に寄せた設計思想

Recraft API を、汎用の画像生成APIと同じ土俵で比べると、強みと弱みが見えます。Recraft公式ブログは自社の位置付けを「デザインされた成果物として届けたいときに選ぶAPI」と表現します。

強みは、SVGを標準出力できること、カスタムスタイルとカラーパレットを一貫させられること、ロゴやアイコンといった「線と面で構成される素材」の破綻が少ないことです。ブランドコミュニケーションで同じ世界観を量産したい制作フローに、この特徴は嵌まります。

一方で、動画生成や自然言語での長文編集は範囲外です。写真的な広告ビジュアル一本に絞るなら、Proバリアントの単価と他社の写真特化モデルの単価を比較して決めるのが実務的です。Recraft API と他APIを併用し、素材の種類ごとに使い分ける構成が、費用と品質の両面で扱いやすい落とし所になります。

Recraft全体の位置付けは、Recraft AIとは|デザイン向けAIの位置づけと主要機能・料金・商用利用を整理 に整理しています。モデル系譜とStudio側の機能は Recraft V3の使い方|特徴・料金・V4.1との違いまで整理Recraftのスタイル指定の使い方|プリセットとカスタムスタイル を、料金と商用の条件は Recraftの料金プラン|有料版と無料版・API単価の比較Recraftの商用利用|有料プラン別の権利と社内利用の条件 を、それぞれ姉妹記事として参照してください。

FAQ

Q1. Recraft APIの使い方の全体像を、最短で教えてください。

A. Recraftにログインし、https://app.recraft.ai/profile/api を開き、APIユニットを購入した上で「Generate」ボタンからトークンを発行します。あとは https://external.api.recraft.ai/v1/images/generations へ Bearer認証で POSTし、prompt を渡すだけで画像が返ります。

Q2. Recraft APIキーを発行できないのはなぜですか。

A. 公式ドキュメントは「APIユニット残高がゼロより大きい場合のみ、Generateボタンが表示される」と説明します。トークン発行画面にボタンが出ないときは、まず APIユニットを購入してください。購入後にプロフィール画面へ戻ると、発行ボタンが有効になります。

Q3. Recraft APIは OpenAIのライブラリでそのまま使えますか。

A. Python の OpenAIクライアントは、base_url を Recraftのエンドポイントに差し替えれば動きます。ただし公式は「一部のパラメータは未対応、または解釈が異なる」と注記します。text_layoutcontrols など Recraft固有の機能を使うときは、素の HTTPリクエストで送るほうが確実です。

Q4. Recraft APIの1画像あたりの単価は、いくらですか。

A. 公式ドキュメントによると、V4.1のラスターは $0.035、ベクターは $0.08、Proラスターは $0.21、Proベクターは $0.30 です。旧世代の V2 は $0.022 からで、モデルと出力形式によって幅があります。編集・変換系の単価は別建てで、ベクター化と背景削除は各 $0.01 です。

Q5. Recraft APIで作った画像は、商用利用してよいですか。

A. Recraft公式ブログは「有料プランと有料生成画像には、完全な商用権が付与される」と明記します。API経由の生成は購入したユニットを消費するため、有料生成に該当します。広告バナー、商品ビジュアル、ロゴなど、商用の納品物に使えます。

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