Recraftのアイコン生成が向いている場面

アイコンは、単発で1つだけ作るより、シリーズで並べる場面が多い素材です。サービスの機能アイコン、資料のセクション見出し、店舗カテゴリ、SaaSのダッシュボードなど、6〜30個をそろえて使う場面がほとんどです。

このとき問題になるのが、線の太さ、余白、色、タッチのばらつきです。1個ずつ作ると微妙にずれ、並べたときに違和感が出ます。Recraftは、カスタムスタイルとSetツールで、このばらつきを最初から抑える設計になっています。

Recraftとは(アイコン生成の観点から)

Recraftは、Recraft, Inc.が提供する画像生成・編集サービスです。Recraft Studioと呼ばれるブラウザ上のキャンバスで、画像の生成、修正、ベクター変換、書き出しまでを行えます。アイコン生成の観点で重要なのは、次の3つです。

  • Recraft V4.1 Vector:文章からSVG形式のベクターアイコンを生成するモデル
  • カスタムスタイル:色・タッチ・線の傾向を保存し、後から呼び出す仕組み
  • Setツール:最大6個のアイコンを、同じスタイルと配色で一度に生成する機能

ラスターとベクターの違い、料金体系、商用利用条件などRecraft全体の基本は、hubページのRecraft AIとは|デザイン向けAIの位置づけと主要機能・料金・商用利用を整理にまとめています。この記事では、アイコン生成に絞って手順を進めます。

アイコンを統一する鍵は「カスタムスタイル」

Recraftのカスタムスタイルは、参考画像を最大5枚アップロードして、その色・タッチ・雰囲気を1つのスタイルとして保存する機能です。Recraft公式ブログでは、テクスチャや色、線の傾向を学ぶモデルと、構図や画角、被写体の配置を学ぶモデルの2種類が用意されていると案内されています。

一度スタイルを作れば、以後の生成で呼び出せます。同じスタイルを使い続ける限り、Recraftは学習した色や線の傾向を維持したまま新しいアイコンを生成します。手作業で「線の太さは2px、角丸は4px、色は3色」と毎回指示するより安定します。

カスタムスタイルの作り方

  1. Recraft Studioを開き、右側のパネルからStyleを選ぶ
  2. Create new styleを選び、参考にしたいアイコンや画像を最大5枚アップロードする
  3. スタイル名を付け、必要に応じて指示文を添える
  4. 生成されたスタイルを確認し、色や線が想定と合っているかテスト生成で確かめる

参考画像は、自社で権利を管理する既存アイコン、社内のデザインガイド、フリーライセンスのサンプルなど、権利がはっきりしているものだけを使います。他社のアイコンセットや既存商標を参考画像にすると、生成結果に類似の要素が残る可能性があります。

参考画像の選び方

参考画像は「色」「線」「タッチ」の3つが一貫しているセットを選ぶと、スタイルが安定します。逆に、色使いも線の太さも違う5枚をまとめて入れると、モデルが平均的な折衷案を返し、狙いから外れやすくなります。

同じシリーズのアイコンを5枚、または自社で採用したい方向性のイラストを5枚に絞る方が、結果は安定します。

Setツールで複数アイコンを同時に生成する

スタイルが決まったら、Setツールを使います。Setツールは、最大6個の画像を同じスタイルと配色で一度に生成できる機能です。Recraft公式ブログでは、次の流れが案内されています。

  1. ツールバーからSetを選ぶ
  2. 6個までの説明文を入力する(例:「歯車」「グラフ」「封筒」「ベル」「盾」「クラウド」)
  3. スタイルパネルから、事前に作ったカスタムスタイルを選ぶ
  4. カラーパレットを指定するか、Recraftに任せる
  5. Level of detailスライダーで複雑さを調整する(アイコンは低め、装飾的なイラストは高め)
  6. Recraftボタンを押し、6個を同時に生成する

Level of detailはアイコンの精度に直結します。アイコンでは低〜中程度に設定すると、線がすっきりし、小さく表示しても形が読み取れるアイコンになります。高すぎると、細かなハイライトや影が入り、UIに置いたときにうるさく見えます。

30個のアイコンをそろえる進め方

Setツールは1回で6個までなので、30個そろえたい場合はSetツールを5回実行します。毎回同じスタイルとカラーパレットを選び、Level of detailの数値も固定します。この3点を毎回そろえることで、5セット30個を並べたときに違和感が出ません。

出来上がったアイコンをキャンバス上に並べ、遠目で見て違和感がある1〜2個だけを、指示文を書き直して再生成します。全部を一度で完璧にしようとするより、後追いで例外を直す方が結果的に速く仕上がります。

SVGとPNG、どちらで書き出すか

Recraftは、生成したアイコンをSVG、PNG、JPEGで書き出せます。用途で使い分けます。

  • SVG:Web、資料、印刷など、サイズを変えて使う場面。Vector Editorで点や曲線を修正できる
  • PNG:即時にSlackやドキュメントに貼るなど、透明背景の画像として使いたい場面
  • JPEG:背景を含む1枚絵として使う場面(アイコン用途では通常選ばない)

ベクター向けモデルであるRecraft V4.1 Vectorで生成したアイコンは、SVGとして書き出せます。ラスター向けのRecraft V4.1で生成した場合は、SVGを書き出すには追加のベクター変換が必要になります。アイコン用途では、最初からVectorモデルを選ぶ方が確実です。

書き出したSVGの点検

SVGは書き出しただけで完成とは限りません。別のデザインソフトで開き、次を確認します。

  • 不要な小さい図形が残っていないか
  • 塗りと線が意図した色になっているか
  • 24px、16pxなど小さいサイズで表示しても形が読み取れるか
  • 図形の重なり順が正しいか

意図と違う部分は、Vector Editorで点や曲線を修正できます。全体の形を大きく変えたい場合は、点を動かすより指示文を修正して再生成する方が早いこともあります。

アイコン量産で失敗しやすい3つのポイント

1. スタイルを作らず、都度指示で揃えようとする

「線の太さは2px、色は#3B82F6、角丸4px」と毎回指示に書く運用は、6個目あたりから確実にズレます。カスタムスタイルを1つ作り、以後はスタイル選択だけで済ませる方が安定します。

2. 参考画像を混ぜすぎる

参考画像は、方向性がそろった5枚を選びます。フラットアイコン、3Dレンダリング、線画を1枚ずつ入れると、モデルはどの方向にも寄れず、中間の折衷案を返します。

3. Level of detailを高くしすぎる

装飾的なイラストではLevel of detailを上げる方が映えますが、UIに並べるアイコンは低め〜中程度に抑えます。線がすっきりし、16px〜32pxで表示しても形が読み取れます。

商用利用と権利の確認

Recraftの公式ドキュメントでは、有料プランの契約中に生成した画像は利用者が所有し、商用利用できると案内されています。生成物は非公開となり、解約後も所有権と非公開の状態が維持されます。

無料プランで生成した画像はRecraftが所有し、公開ギャラリーに表示される場合があります。商用利用は認められていません。仕事で使うアイコンは、有料プランへ切り替えてから生成する必要があります。

有料プランでも、第三者の著作権、商標権を侵害してよいわけではありません。生成結果に他社ロゴや既存キャラクターに似た要素が混ざっていないか、公開前に確認します。特にアイコンは形が単純なため、既存の有名アイコン(大手SaaSのロゴマーク等)と偶然似る場合があります。並べる前に一度検索して類似を確認しておくと安全です。

商用利用条件の詳細は、Recraft 商用利用の条件を整理するにまとめています。

チームで使う場合の運用

社内のデザイナーとマーケター、外部のパートナーが同じスタイルでアイコンを生成する必要がある場合、Recraftのスタイル共有機能を使います。2025年3月に公開された機能で、保存したスタイルをチームメンバーに共有できます。共有しておけば、担当者が変わっても同じスタイルでアイコンを追加生成できます。

社内向けには、次の3点を運用ルールにしておくと属人化しにくくなります。

  • 使用するカスタムスタイル名を1つに固定する
  • カラーパレットを1つに固定する
  • Level of detailの値を固定する

書き出したファイルの命名も揃えておくと、後から追加生成する担当者が迷いません。カテゴリ名、番号、サイズを組み合わせた命名規則を1つ決めておきます。制作物リストと生成日時を残しておけば、Recraft側で保存したスタイルとの対応も追いやすくなります。

FAQ

Q1. Recraftで作ったアイコンはそのままロゴに使えますか

SVGとして編集できても、正式なロゴとしてそのまま使えるとは限りません。既存商標との類似確認、正式書体への置き換え、社内の承認を経てから正式ロゴとして扱います。

Q2. 無料プランでアイコンを作って商用利用できますか

できません。無料プランの生成物はRecraftが所有し、商用利用は認められていません。仕事で使うアイコンは、有料プランで生成してください。

Q3. アイコンを24個そろえて量産する最短手順は

参考画像を5枚選んでカスタムスタイルを1つ作り、Setツールを4回実行します。毎回同じスタイル、同じカラーパレット、同じLevel of detailを選ぶことで、24個を並べても違和感の少ないセットになります。

Q4. 生成したSVGの形が微妙にずれています。どう直しますか

小さなずれはVector Editorで点や曲線を動かして修正します。大きく形を変えたい場合は、指示文を書き直して再生成する方が早いことが多いです。

Q5. 既存の手書きアイコンをRecraftのスタイルとして使えますか

自社で権利を管理する手書きアイコンであれば、参考画像として最大5枚アップロードし、カスタムスタイルとして保存できます。他社作品や既存商標を参考画像にすることは避けてください。

関連ガイド

Recraftのアイコン生成は、Recraft全体のベクター生成やカスタムスタイルの仕組みの上に成り立っています。以下のガイドと合わせて読むと理解しやすくなります。

Recraftアイコン生成の要点

Recraftでアイコンを一貫したデザインで量産する鍵は、カスタムスタイルとSetツールです。参考画像を5枚選んで1つのスタイルを作り、Setツールで6個ずつ同じスタイル・同じカラーパレット・同じLevel of detailで生成し、SVGで書き出します。5回繰り返せば30個のアイコンが並べても違和感の少ない状態でそろいます。

無料プランは操作を試す用途には向いていますが、生成物は公開され商用利用できません。仕事で使う場合は有料プランで生成し、書き出したSVGを別のデザインソフトで点検してから、社内やお客様への提出に回してください。

情報源


AIGC TIMESとは

AIGC TIMESは、AIクリエイティブ業界の専門メディアです。本メディア運営企業が10都市・20社以上のグローバルブランドへの実装を通じて蓄積したメソッド、独自調査に基づく業界動向、AIツールのアップデート情報を、公式noteと連動して継続的に発信しています。

無料メソッド

AIクリエイティブの社内導入、研修、パートナー選定、ブランドコミュニケーションに関するメソッドを公開しています。

AIGC TIMESのメソッドを見る

お問い合わせ

AIクリエイティブ制作、PoC、社内導入、研修についてのご相談は、公式フォームからお問い合わせください。

企業向けお問い合わせ

公式リンク