『Shaping New Futures』とは

『Shaping New Futures』は、SalomonがBBDO Parisと制作したグローバルキャンペーンです。白い空間に立つ主人公の周囲で、都市、自然、建築物が次々に姿を変え、最後にブランドのメッセージへつながります。

制作会社UNVEILの公式ページには、Salomon、BBDO Paris、Loveboatのほか、出演者、撮影監督、編集、音楽、スタイリング、AIを用いたビジュアル制作、仕上げ、色調整の担当者が記載されています。複数の職種が参加した広告であり、生成AIだけで自動的に完成した映像ではありません。

主人公は実写、人物以外は生成AI

UNVEILの共同創業者Alexis Foucault氏はLBBの取材に対し、主人公には実在のモデルを起用し、セット、物体、風景、建築、アニメーションなど、人物以外の要素を生成AIで作ったと説明しています。

『Shaping New Futures』における実写と生成AIの役割分担

画像:AIGC TIMES編集部(UNVEIL公式作品ページとLBBの制作インタビューをもとに作成)

画面の中心となる人物を撮影し、その周囲に現れる世界には生成AIを使う分担です。人物の演技まで生成したわけではなく、背景だけを一枚差し替えたわけでもありません。実写の人物と生成した空間を、映像の動きに合わせて一つの場面として構成しています。

ここで注意したいのは、AIを使った範囲の詳しい説明は制作側の証言だという点です。Salomonの公式発信では、作品名、キャンペーンのメッセージ、BBDO Parisとの関係を確認できますが、生成した要素の内訳までは説明していません。

生成AIは企画初期のイメージづくりから使われた

UNVEILは、本番映像を作る前の企画とイメージづくりにも生成AIを使ったと説明しています。企画書に外部作品の画像を並べるのではなく、企画に合わせて画像を生成し、映像の方向を探りました。

これは、既存作品の影響を受けていないという意味ではありません。UNVEILも、生成AIが大量の既存データを学習していることに触れています。制作側が避けたと説明しているのは、企画書に外部作品の画像を並べ、既存のムードボードから映像の方向を決める進め方です。

最終画面の制作だけでなく、企画段階から映像の方向を探るために生成AIを使った点が、この事例のもう一つの特徴です。ただし、企画段階で何案を生成し、どの案が採用されたのかは公表されていません。

撮影、編集、音楽、仕上げは人が担った

UNVEILの公開クレジットを見ると、生成AIを扱う担当者とは別に、撮影監督、編集者、音楽・サウンドデザイン、スタイリスト、仕上げ、色調整の担当者がいます。

ブランド側の発表、制作側の説明、公開クレジットで確認できる範囲

画像:AIGC TIMES編集部(Salomon公式発信、UNVEIL公式作品ページ、LBBの制作インタビューをもとに作成)

音楽についても、制作側は生成AIに任せず、作曲家と制作したと説明しています。公開情報から確認できるのは、主人公の演技を撮影し、生成した空間と組み合わせたうえで、編集、音、色を担当する人が一本の映像へ仕上げたという役割分担です。

一方、クレジットだけでは各担当者の作業量までは分かりません。使用モデル、生成回数、制作費、制作期間が従来の制作からどう変わったのかも公表されていません。

公式動画で45秒の映像を見る

次の動画は、Salomon公式YouTubeが公開した45秒のキャンペーン映像です。実写の主人公を中心に、生成された都市や自然、建築がどのようにつながるのかを確認できます。

動画:Salomon TV 公式チャンネルより引用

公開情報から分かること、分からないこと

Salomonの公式発信で確認できるのは、グローバルキャンペーンとして公開されたこと、BBDO ParisとSalomonのチームが関わったことです。主人公を実写で撮り、人物以外を生成AIで制作したこと、音楽を作曲家が手がけたこと、企画段階から生成AIを使ったことは、制作側の説明として確認できます。

使用モデル、生成回数、制作費、制作期間、従来制作との人数差は公表されていません。45秒という完成尺だけから、制作の効率や費用対効果を判断することはできません。

この作品では、主人公の演技を実写で撮影し、周囲の世界に生成AIを使い、編集、音、色の工程を経て一つの映像に仕上げています。実写と生成AIのどちらか一方へ寄せず、企画段階から役割を分けた制作事例です。

Salomon『Shaping New Futures』を確認した公式・当事者情報


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