SIGGRAPHとReal-Time Live!とは

SIGGRAPHは、コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術を扱う国際会議です。2026年は7月19日から23日まで、ロサンゼルス・コンベンションセンターで開催されました。

Real-Time Live!は、研究成果や制作技術を会場で実際に動かすプログラムです。ゲーム、VR・AR、映像制作技術、科学分野の可視化、機械学習、デザイン・制作ツールなどが対象になります。

発表者に与えられる時間は6分以内です。公式要項では、操作に応じて結果が変わる技術を、会場で繰り返し実演できることが求められています。応募時には2分以内の紹介映像を提出できますが、採択後はリハーサルで発表全体を実演し、本番もライブで進めます。

SIGGRAPH 2026 Real-Time Live!の概要

Real-Time Live!は、説明資料だけでなく、会場で動く実演を審査するプログラムです。AIGC TIMES編集部作成。出典:SIGGRAPH 2026公式サイト

Best in Showは、画像から数秒で動かせる3D素材を作る技術

Best in Showを受賞したのは「Create Interactive 3D Assets in Seconds!」です。公式発表によると、画像をもとに、質感が付き、関節を動かせる3D素材を数秒で生成します。

会場では、観客がスマートフォンから入力した内容を使って3D素材を作り、一つのアニメーションシーンへ即座に追加しました。完成した3Dモデルを見せるだけではなく、観客の入力から生成、配置までを一続きの実演として見せた点が特徴です。

発表したのはVASTを中心に、中国科学院自動化研究所と香港大学の研究者を含む7人です。SIGGRAPHの公式ページには、Ying-Tian Liu、Hanxiao Wang、Yuan-Chen Guo、Yumeng Li、Yi-Hua Huang、Yu-Lin Tsai、Yan-Pei Caoの名前が掲載されています。

受賞作が見せたのは、生成速度だけではありません。3D素材を制作に使うには、別の角度から見ても形が崩れず、表面の質感が整い、関節を動かしたときも不自然に変形しないことが求められます。今回の実演は、画像から3D素材を作った後、その場で動かし、一つのアニメーションシーンへ加えるところまで含んでいました。

Audience Choiceは、人体の内部を操作しながら学べる技術

来場者の投票で決まるAudience Choiceには「Dissectible Anatomy: Embodied Exploration for Education」が選ばれました。Purdue UniversityのTim McGrawとJack Myersによる解剖教育システムです。

この技術は、人体の連続断面画像データから、切断や変形ができる3Dモデルを作ります。利用者は、人体の一部を切る、裂く、取り除くといった操作を行い、内部の構造を立体的に確かめられます。

公式説明では、切る、裂く、取り除く操作に対応するとされています。完成画像を眺める教材ではなく、学びたい場所へ自分で手を加え、その結果を見ながら理解を深めるための教材です。

Real-Time Live!では「その場で動くか」まで見られる

制作ツールの紹介映像では、見せたい結果だけを選び、待ち時間や失敗した操作を編集で省くことがあります。Real-Time Live!では、発表者が会場でシステムを操作するため、入力してから結果が返るまでの時間や、操作に対する反応も含めて確認できます。

審査では、技術の新しさだけでなく、利用者がどこまで操作できるか、内容の独自性、会場で見せる面白さ、実演としての完成度なども評価されます。2026年は、画面内で完結せず、実空間と連動する技術も評価項目に加えられました。

ライブ実演で確認できる4つの点

ライブ実演で、入力、待ち時間、操作できる範囲、結果までを一続きで確かめるための図です。AIGC TIMES編集部作成。出典:SIGGRAPH 2026公式サイト

制作ツールを見るときに確認したい4つの点

Real-Time Live!の形式は、生成AIを使った制作ツールを見るときにも参考になります。完成した映像の印象だけではなく、次の4点を順に確認すると、実際の制作で使える範囲が分かりやすくなります。

1. 入力から結果が返るまで、実際にどれくらいかかるか

「数秒で生成」と説明されていても、素材の読み込みや生成処理の起動、再生成まで含めると、作業全体の時間は変わります。実演を見るときは、入力を始めた時点から、次の操作へ移れる状態になるまでを見ます。

2. 作った後に、どこまで直せるか

最初の結果が良くても、必要な部分だけ直せなければ、制作では使いにくくなります。形、動き、配置などを個別に変更できるのか、作り直しが必要なのかを分けて確認します。

3. 同じ条件で、同じ水準の結果を出せるか

一度だけ成功する実演と、条件を変えて繰り返し使えるツールは別です。入力を変えたときにも処理が止まらず、品質が大きく崩れないかを見る必要があります。

4. 特別な機材や通信環境が必要か

応募要項では、発表者が利用する機材と通信条件を申告するよう求めています。高性能な専用機材や安定した通信が前提なら、それらも導入条件に含めて判断する必要があります。

公式映像で、2026年の実演を確認する

ACM SIGGRAPHの公式YouTubeには、2026年のReal-Time Live!本編が公開されています。登壇者が短い時間で技術を説明し、その場で操作する様子を見られます。

動画:ACMSIGGRAPH 公式チャンネルより引用

完成した映像を上映して終わるのではなく、操作する人と、その操作に反応する画面が同時に映ります。受賞結果だけではつかめない処理の流れや、会場での見せ方も確認できます。

受賞作から分かること

SIGGRAPH 2026のReal-Time Live!では、画像から数秒で動かせる3D素材を作るシステムがBest in Showを受賞しました。Audience Choiceに選ばれたのは、人体の3Dモデルを切ったり、裂いたりしながら学べる解剖教育システムです。

共通しているのは、完成した見本だけではなく、入力、処理、操作、結果までを会場で見せたことです。生成AIや新しい制作ツールを確認するときも、仕上がりの印象だけで判断せず、待ち時間、修正できる範囲、繰り返し使えるか、必要な動作環境までを見ると、実際に使える技術か判断しやすくなります。

今回のようなAI技術を自社のブランド制作へどう取り入れるか検討したい方に向けて、AIGC TIMESの無料メソッドを公開しています。

ブランドコミュニケーション3.0 統合パンフレットを見る

SIGGRAPH 2026 Real-Time Live!の公式情報


AIGC TIMESとは

AIGC TIMESは、AIクリエイティブ業界の専門メディアです。本メディア運営企業が10都市・20社以上のグローバルブランドへの実装を通じて蓄積したメソッド、独自調査に基づく業界動向、AIツールのアップデート情報を、公式noteと連動して継続的に発信しています。

無料メソッド

AIクリエイティブの社内導入、研修、パートナー選定、ブランドコミュニケーションに関するメソッドを公開しています。

AIGC TIMESのメソッドを見る

お問い合わせ

AIクリエイティブ制作、PoC、社内導入、研修についてのご相談は、公式フォームからお問い合わせください。

企業向けお問い合わせ

公式リンク