Adobe Fireflyとは|画像や動画を生成・編集できるAdobeのWebサービス
「Firefly」という名称は、二つの意味で使われています。
一つは、Adobeが開発する画像生成・動画生成モデルの総称です。もう一つは、ブラウザから利用できるAdobe FireflyというWebサービスです。
WebサービスのFireflyでは、文章から画像を生成する、画像内の不要な物を消す、背景を広げる、複数の案をBoardsへ並べるといった操作ができます。生成した画像をPhotoshopやAdobe Expressで開き、細部を編集することもできます。
Fireflyの画面では、Adobe製モデルに加えて、GoogleやOpenAIなどが提供するパートナーモデルも選択できます。Adobeは2026年3月、画像・動画などを含むFirefly全体で扱えるモデルが30以上になったと発表しました。
Fireflyで画像を作る基本手順
Fireflyの画面は更新されるため、ここでは機能単位で手順を示します。執筆時点では、無料アカウントの現行メニュー名とボタン位置は実機確認前です。公開前に画像生成用の入力欄、モデル、縦横比、生成ボタンを確認します。
1. Fireflyへログインする
Adobe Fireflyを開き、Adobe IDでログインします。Adobe IDは無料で作成できます。
2. 画像を生成する機能を開く
ホーム画面から、文章を入力して画像を生成する機能を開きます。画面上の正式なメニュー名は更新されることがあるため、画像生成用の入力欄が表示されたことを確認します。
3. 作りたい画像を文章で入力する
最初は、次の5項目を順番に書くと内容を整理しやすくなります。
被写体+背景+光+構図+写真またはイラスト
入力例:
透明な化粧水ボトル。白い石の台。朝の自然光。
正面から撮影した商品写真。文字なし。
「高級感のある画像」のような抽象的な指示だけでなく、被写体、背景、光、撮影方向を具体的に書くと、修正したい箇所を判断しやすくなります。
4. 利用できるモデルと縦横比を選んで生成する
画像を掲載する場所に合わせて、横長、縦長、正方形などの縦横比を選びます。モデル選択では、Adobe製モデルまたは利用可能なパートナーモデルを選択します。
無料アカウントで選べるモデルや生成回数は時期によって変わります。最初は利用できるAdobe製画像モデルを一つ選び、画像を生成できるところまで確認します。その後、同じ文章を別のモデルへ入力し、被写体の形、文字、光、背景を比べると違いが分かります。
画像生成後にできる編集
画像内の物を追加・削除する
生成塗りつぶしでは、画像の一部を選択し、文章で指示して物を追加または削除できます。背景に写り込んだ小物を消す、空いた場所へ別の物を加えるといった編集に使えます。
画像の外側を生成する
生成拡張では、元画像の外側を生成して縦横比を変えられます。正方形の商品画像を横長のバナーへ変更するときなどに、左右の背景を補えます。
複数の案をBoardsへ並べる
Firefly Boardsは、生成画像、参考画像、文章などを一枚のボードへ並べる機能です。明るい商品写真と暗い映画調の写真を分けるなど、方向性の異なる案を比較できます。
PhotoshopやAdobe Expressで仕上げる
Fireflyで生成した画像は、PhotoshopやAdobe Expressで開いて編集できます。生成結果をそのまま完成品として使うだけでなく、色、文字、レイアウト、細部を調整できます。
Adobe製モデルとパートナーモデルの違い
Fireflyでは、Adobe製モデルと、Adobe以外の企業が開発したパートナーモデルを利用できます。両者は開発元が異なります。
| 確認項目 | Adobe製モデル | パートナーモデル |
|---|---|---|
| 開発元 | Adobe | Google、OpenAIなど各提供企業 |
| Fireflyでの利用 | Fireflyの各機能から選択 | 対応する機能とアカウントで選択 |
| 生成クレジット | 対象プランの条件に従う | モデルごとに消費量が異なる場合がある |
| 商用利用 | Fireflyの利用条件を確認 | Firefly上の利用条件とモデルの提供段階を確認 |
| IP補償 | 対象となる法人契約・機能の条件を確認 | 対象ライセンス、対象モデル、一般提供状態などの補足カバレッジ条件を確認 |
Adobeの公式案内では、Fireflyで利用できるパートナーモデルに追加契約は不要です。ただし、利用できるモデル、必要な生成クレジット、管理者による権限設定は、プランやアカウントによって異なります。
商用利用できることと、Adobeとの契約上のIP補償を受けられることは別です。Adobe製モデルを使えば全利用者へ補償が自動付帯するわけではありません。パートナーモデルにも別の補足カバレッジ条件があります。仕事で使用する場合は、製品、モデル名とバージョン、提供段階、契約内容を分けて確認します。
Adobeは、パートナーモデルへの継続的なアクセスを保証していません。モデルの追加・終了、プラン、組織管理者の設定によって、選択できるモデルが変わる場合があります。制作案件で複数の生成AIツールを併用する場合の使い分け基準は、AI編集ツールの選び方と生成AIクリエイティブツール比較で扱います。
Adobe Fireflyの料金
Fireflyは無料で始められます。Adobeの日本向け料金ページでは、個人向けの有料プランとして次の4つが案内されています。
| プラン | 通常月額(税込) | 生成クレジット/月 |
|---|---|---|
| Firefly Standard | 1,580円 | 2,000 |
| Firefly Pro | 3,180円 | 4,000 |
| Firefly Pro Plus | 6,600円 | 10,000 |
| Firefly Premium | 31,680円 | 50,000 |
各プランでは、付与される生成クレジットや利用できる機能が異なります。パートナーモデルは、同じ操作でもAdobe製モデルと異なる数のクレジットを消費する場合があります。
執筆時点では、Pro Plusが4,617円/月、Premiumが22,162円/月になる初年度の特別価格が案内されています。期限は2026年8月26日で、対象モデルの無制限生成にも期間と条件があります。終了後は通常価格へ戻るため、契約前にFireflyの公式料金ページで、月額料金、生成クレジット、契約期間、キャンペーンの終了日を確認してください。
現在の個人向けFirefly有料プランには、Adobe Express PremiumとPhotoshopのWeb版・モバイル版が含まれます。Photoshopのデスクトップ版や、そのほかのCreative Cloudアプリが必要な場合は、別のCreative Cloudプランと比較します。
無料利用は毎日上限がリセットされる
Adobeは、プランに加入しなくても画像、動画、オーディオを毎日無料で生成でき、生成上限が毎日リセットされると案内しています。利用できるモデルと回数は固定ではありません。無料アカウントの画面で、その日に選べるモデルと残りの生成回数を確認してください。
Fireflyで生成した画像は商用利用できる?
Adobeの公式FAQでは、ベータ版ではないFirefly機能で生成した出力を商用プロジェクトに使用できると案内しています。ベータ版の機能で生成した出力も、製品内に商用利用を禁止する表示がない限り、商用プロジェクトで使用できます。
ただし、商用利用できることと、第三者の権利を侵害しないこと、Adobeの補償対象になることは別の問題です。仕事で使用する前に、次の項目を確認します。
使用したモデル
Adobe製モデルかパートナーモデルかを記録します。パートナーモデルを使用した場合は、モデル名と利用したAdobe製品も残します。
機能やモデルの提供段階
正式提供、ベータ、プレビュー、早期アクセスなどの表示を確認します。補償は、すべてのモデルや提供段階へ同じように適用されるわけではありません。
入力した素材の権利
アップロードした写真、商品画像、ロゴ、人物写真などを使用する権利があるか確認します。Fireflyを利用できることは、入力素材を使う権利まで与えるものではありません。
出力内容に含まれる第三者の権利
生成画像に第三者のロゴ、キャラクター、著名人の容姿、既存作品と似た表現が含まれていないか確認します。広告、販売物、企業サイトなどへ掲載する前に、人が出力内容を確認します。
契約上のIP補償範囲
IP補償は、対象となる契約、機能、モデル、提供段階に限定されます。Adobe製モデルかパートナーモデルかにかかわらず、個人向けプランを含む全利用者へ自動的に付くものではありません。企業契約では、管理者または法務担当者が該当する契約と製品利用条件を確認します。
商用利用前の確認項目
- 使用したAdobe製品とモデル名
- 正式提供、ベータ、プレビューなどの表示
- 入力した画像・ロゴ・人物写真の利用権
- 出力に含まれるロゴ・人物・キャラクター・既存作品
- 契約プランと知的財産補償の対象範囲
Creative Cloud購読者の個人コンテンツをAdobe製Fireflyモデルの学習に使わないというAdobeの説明を、パートナーモデルへそのまま当てはめることはできません。未公開の商品画像や人物素材を入力する場合は、選んだモデルごとにデータの扱いを確認します。
また、Fireflyコミュニティへ作品を送信すると、生成画像、プロンプト、プロフィール情報がAdobeのマーケティングやギャラリーで使われ、ほかの利用者が同じプロンプトを利用できることに同意した扱いになります。未公開の企業案件はコミュニティへ送信しないでください。
Adobeは一部の書き出しに、生成AIの使用や編集履歴を示すContent Credentialsを自動付与します。納品時は、画像に付いた来歴情報を削除する前に、社内の開示方針と納品条件を確認します。生成AIコンテンツの表示ルールとメタデータ設計の全体像は、AIコンテンツラベルとメタデータで扱っています。海外拠点を含むチームでは、国や地域ごとのFirefly提供可否も確認してください。国別のリリース確認事項は、生成AIクリエイティブのクロスボーダー・リリース確認表を参照してください。
Fireflyを選ぶ前に確認したいこと
次の操作を一つのAdobeアカウントで行いたい場合は、Fireflyが選択肢に入ります。
- 文章から画像を生成する
- 画像内の物を追加・削除する
- 背景を広げて縦横比を変える
- Adobe製モデルとパートナーモデルの結果を比べる
- 生成した画像をPhotoshopやAdobe Expressで編集する
- チームでパートナーモデルの利用権限を管理する
特定の生成モデルだけを利用したい場合は、そのモデルを提供するサービスの料金や機能も比較します。Fireflyから利用する場合と、開発元のサービスから直接利用する場合では、画面、料金、設定、利用条件が異なることがあります。
仕事で使う場合は生成記録を残す
企業の制作物にFireflyを使う場合は、次の情報を制作記録へ残します。
- 使用したAdobe製品
- 使用したモデル名
- 画面に表示されたモデルのバージョン
- 入力した文章と参考画像
- 生成後に行った編集
- 出力を確認した担当者
- 確認した利用条件と日付
同じFireflyの画面を使っていても、選択したモデルによって確認すべき条件が変わります。モデル名と編集内容を残すことで、公開後に制作過程を確認できます。外部パートナーと共同制作する案件では、AIクリエイティブ・パートナー確認表に沿って、モデル選定と権利確認の分担を事前に決めておくと運用が滞りません。
よくある質問
Adobe Fireflyは無料で使えますか?
無料で始められます。Adobeは、無料生成の上限が毎日リセットされると案内しています。利用できるモデルと回数は変わるため、ログイン後の画面で確認してください。
Adobe Fireflyは日本語で使えますか?
日本語で画像生成の指示を入力できます。利用するモデルによって生成結果は異なります。被写体、背景、光、構図を分けて書くと、修正したい部分を判断しやすくなります。
Photoshopを契約していなくても使えますか?
FireflyのWebサービスは、Photoshopの契約がなくても無料で始められます。現在のFirefly有料プランにはPhotoshopのWeb版・モバイル版が含まれます。Photoshopデスクトップ版を使う場合は、対応するCreative Cloud契約を確認してください。
Fireflyで生成した画像は商用利用できますか?
Adobeは、Fireflyで生成した出力を商用プロジェクトで使用できる条件を公式FAQで案内しています。使用したモデル、提供段階、入力素材、出力内容、契約上の補償範囲は別々に確認してください。
「Adobe Firefly」の読み方と正式名称は何ですか?
正式名称は「Adobe Firefly」で、日本語ではアドビ ファイアフライと読みます。Fireflyは英語で蛍を意味します。Adobeの公式サイトも「Adobe Firefly」の表記で統一しているため、社内資料や納品書に記載する場合はこの表記に揃えると混乱を避けられます。