14種類のツールを三つの工程で使う

Fashion Studioは、FLORAの自由配置型キャンバスを服飾制作向けに組み直したサービスです。ノードを自分で設計しなくても、服飾で繰り返す作業を用途別のツールから始められます。

工程 公式FAQに掲載されたツール
企画・デザイン Concept、Sketch to Render、Ghostform、Flatlay
衣服の調整 Garment Recolor、Fabric Swap、Garment Extractor
商品・キャンペーン素材 Model Maker、Model Try-On、Garment Swap、Multi-Angle Shoot、Photoshoot、360 Garment Video、360 Model Video

たとえば、手描きのスケッチを衣服の画像へ変換し、色や生地を変更したあと、モデル着用画像や360度動画へ進めます。途中の画像を別サービスへ移して再アップロードするのではなく、同じ画面で次の工程へ渡せる設計です。

公式ページにはTech PackやPDP Shotsなど「SOON」と表示された機能もありますが、上の14種類には含めていません。公開予定の機能を、執筆時点で使える機能として数えないためです。

Fashion Studioは全プランに含まれる

公式料金ページでは、Fashion StudioをFree、Starter、Pro、Max、Enterpriseの各プランで利用できると案内しています。Fashion Studio専用の追加契約は不要ですが、生成を実行すると、選んだモデルの公開料金に応じて共通利用枠を消費します。

プラン 公式ページに掲載された月額料金 主な条件
Free 0ドル 1席、3件の進行中プロジェクト、最大17回の無料生成。注記ではNano Banana 2の平均単価を基準に、無料利用額を合計2.50ドルまでと説明
Starter 1席18ドル 最大8席。8月31日まで、1席あたり月12ドル分の利用枠を追加する特別条件を表示
Pro 1席50ドル 最大8席。8月31日まで、1席あたり月50ドル分の利用枠を追加する特別条件を表示
Max 1席200ドル 最大8席。8月31日まで、1席あたり月100ドル分の利用枠を追加する特別条件を表示
Enterprise 個別見積もり 公式窓口への問い合わせが必要

料金と特別条件は執筆時点の表示です。実際の生成回数は、使うモデルと処理内容によって変わります。

Free版を第三者案件へ使う場合は確認が必要

Fashion Studioの製品FAQには、作成物を商品ページ、ルックブック、広告、印刷物などへ商用利用できると書かれています。別のFAQでは、Fashion StudioがFreeを含む全プランに入るとも案内されています。

一方、FLORAの利用規約は、有料プランを使っていない場合、サービスの利用を利用者自身の内部目的に限り、第三者のため、または第三者の利益のために使わないよう定めています。製品FAQと利用規約を合わせても、Free版を顧客など第三者のために使えるとは判断できません。

AIGC TIMESでは、Free版を第三者のための顧客案件へ使うことは、FLORAの確認が取れるまで商用利用可と判定しません。利用する場合は対象用途を示し、どの条件が適用されるかを書面で確認してください。

有料プランでも、入力するスケッチ、衣服、ロゴ、人物写真などの権利は利用者側で確保しなければなりません。規約は、利用者とFLORAの間では出力の権利を利用者が持つとしていますが、外部企業のAIモデルが生成する出力について、FLORAは権利を保証していません。制作に使ったモデルごとの条件も確認が必要です。

Prada Linea Rossaのデザイナーを紹介、導入や提携の発表ではない

FLORAは公式Instagramで、Marius Jung氏をPrada Linea Rossaのコンセプトデザイナーとして紹介しました。投稿には、色や素材の調整へ集中しやすくなり、完成前のアイデアを高い品質で見せることで、開発判断を速く正確にできるようになったという同氏のコメントが掲載されています。

確認できるのは、FLORAが同氏の所属とコメントを掲載したことです。Pradaによる公式導入、FLORAとの提携、組織全体での利用、制作期間や費用の削減効果を示す発表ではありません。本稿でも、個人の制作コメントをブランド全体の採用事例へ広げません。

導入前に確認したい三つの条件

Fashion Studioは、服飾制作で分断しやすいデザイン、修正、商品・キャンペーン素材の制作を、用途別のツールとしてつないだ点が重要です。ただし、企業が実案件へ使う前には次の三点を確認する必要があります。

  1. 選んだモデルと処理内容ごとの消費額
  2. ロゴ、衣服、人物、参照画像など入力素材の権利
  3. 利用プランと案件区分に応じた商用利用条件

特にFree版は、製品FAQの商用利用案内と、規約が第三者向け利用を制限する条件を分けて読む必要があります。無料で使えることを、そのまま第三者のための顧客案件へ使えることと同じ意味で扱わないでください。

FLORA Fashion Studioの公式情報

  • Fashion Studio公式製品ページ:執筆時点の利用入口、14種類のツール、製品FAQ、Marius Jung氏のコメントを確認できます。
  • FLORA公式料金ページ:Freeを含む全プランでの提供、各プランの料金、共通利用枠の扱いを確認できます。
  • FLORA利用規約:Free版の利用範囲、入力素材、出力、外部AIモデルに関する条件を確認できます。
  • FLORA公式Instagram:Marius Jung氏の所属表記と制作工程に関するコメントを確認できます。

Instagramの動画や静止画、公式製品ページの作例は保存・再アップロードせず、原投稿と公式ページへのリンクだけを掲載しています。

関連記事


AIGC TIMESは、AIクリエイティブ業界の専門メディアです。独自調査に基づく業界動向、AIツールのアップデート情報、実装を通じて蓄積したメソッドを発信しています。

メソッド | 有料調査レポート | 企業向けお問い合わせ | AIGC TIMES | 公式note