FLORAの「Technique」とは
FLORAは、画像、動画、文章を一つの制作画面で扱えるクリエイティブツールです。画面上で複数の処理をつなぎ、前の結果を次の処理へ渡しながら制作できます。
Techniqueは、そのつながりを保存したものです。単独の機能として実行できるほか、FLORAの制作画面へ組み込めます。公開範囲が「open」のTechniqueでは、途中の処理を確認し、必要な部分を変更できます。
たとえば、素材を入れて案を作り、その結果を別の処理へ渡して仕上げるまでを一つにまとめられます。毎回ゼロから同じ設定を組み直さなくても、保存した順番から制作を始められます。
ロゴと配色からブランドの展開案を作る
Base Designの「Brand Extension Generator」は、ロゴと配色を受け取り、モックアップ、広告の見出し、グラフィックパターン、Tシャツなどの案を作ります。

画像:AIGC TIMES編集部(FLORA公式のBase Design事例とTechniques解説をもとに作成)
ポイントは、完成画像を一枚ずつ作るのではなく、最初の素材から複数の案へ広げる順番をまとめていることです。担当者がロゴと配色を入れ替えれば、同じ流れを使って別の案を試せます。
Base DesignのRoss Gendels氏は、作り始めた案がブランドに合う方向へ進んでいるかを、早い段階で確かめやすくなると説明しています。ただし、制作時間や採用率の実測値は公表されていません。
タロットカードを作る工程も公開
Base Designは、タロットカードを作る工程もTechniqueとして公開しました。FLORAが2026年7月1日に公開した事例記事では「Tarot Card Generator Technique」と表記されています。
一方、執筆時点のTechniques一覧には、Base Designによるタロット生成機能として「Tarot Pull」が掲載されています。公式ページには、名称が変わったのか、別の機能なのかを説明する記載がありません。
このため、二つを同じものとは決めつけません。事例記事にある「Tarot Card Generator Technique」と、現行一覧に表示される「Tarot Pull」を分けて扱います。「Brand Extension Generator」は、執筆時点の一覧でもBase Designが作成したTechniqueとして確認できます。
再利用できるのは「作業の順番」
Techniqueに保存されるのは、入力した素材をどの処理へ渡し、どの順番で案を作るかという制作手順です。完成画像だけを受け取る場合と違い、次の担当者も同じ流れを実行できます。

画像:AIGC TIMES編集部(FLORA公式のBase Design事例とTechniques解説をもとに作成)
たとえば、別の商品や別の配色を入れて案を作り直したり、途中の処理を変えて違う方向を試したりできます。公開範囲が「open」であれば、どの素材から、どの順番で案を作ったのかを確認できるため、担当者が替わったときに制作手順をたどる材料になります。
ただし、同じ手順を実行すれば、毎回同じ品質になるとは限りません。使うモデルや設定、入力する素材が変われば、結果も変わります。Techniqueは作業の順番を残す仕組みであり、完成品の品質を保証するものではありません。
ブランドの判断まで自動化されるわけではない
Techniqueを再実行できても、どの案を採用するか、ロゴをどこまで変えてよいか、どの表現がブランドに合うかは自動では決まりません。
ロゴの使用条件、変更してはいけない要素、文章の調子、最終承認者は、ブランド側が別に定める必要があります。完成データやブランドガイドラインが不要になるのではなく、そこへ制作手順が加わると考えるのが正確です。
FLORAの記事では、将来、Techniqueそのものを顧客へ渡し、制作時の考え方も引き継げるようにしたいというBase Designの構想が紹介されています。しかし、今回公開された二つのTechniqueが、特定の顧客へ正式に納品された事実は確認できません。
公式動画でBase DesignのTechniqueを見る
次の動画はFLORA公式YouTubeが公開したBase Designの事例です。素材を入れてから複数の案へ広げるまでを、実際の画面で確認できます。
動画:FLORA © 公式チャンネルより引用
FLORAは、Techniqueを作る基本的な流れを解説した動画も公開しています。
動画:FLORA © 公式チャンネルより引用
ブランド運用側が最初に決めておきたい4つの項目
Base DesignのTechniqueを自社のブランド制作に取り込む場合、Technique自体は「作業の順番」までしか運ばないため、ブランド側でその外側を決めておく必要があります。今回公開された事例をブランド運用の入口として読み替えると、最初に整理しておきたい項目は次の4つに整理できます。
1. 素材の更新権限と保管場所 Brand Extension Generatorの入力は、ロゴと配色です。ロゴファイルの正本をどこに置き、配色コードをどの表で管理し、誰が差し替えて良いのかを先に決めておくと、Techniqueを走らせるたびに元素材が揺れる状態を避けられます。関連情報はFLORA(フローラ)AIとはの項目でも整理しています。
2. 出力の採否を判断する担当者 Techniqueは展開案を複数出しますが、その中からどれを採用するかは自動では決まりません。案の絞り込みを誰が行い、どの段階でブランド責任者の承認を通すのかを、Techniqueの外側でフロー化しておく必要があります。
3. 変更してはいけない要素の明文化 ロゴのアイソレーション、色の指定範囲、書体、文章の調子など、Techniqueが自由に触れて良い範囲と、触ってはいけない範囲を分けて記述します。この線引きが曖昧なままだと、再実行のたびにブランドから外れた案が量産される可能性があります。
4. 公開範囲と社外共有のルール FLORAのTechniqueには「open」と非公開の設定があります。社外の制作会社と共有するのか、社内だけで回すのか、案件ごとに切り替えるのかを決めておくと、他社の目に触れて欲しくない素材が意図せず流通する事態を防げます。FLORAとほかのAIクリエイティブツールとの位置づけはAIクリエイティブガイド、実制作の事例はFLORA × Fashion Studioで確認できます。
いずれもTechnique側の機能ではなく、ブランド側の運用設計です。Base Designの事例が示したのは「作業の順番も引き渡せる」という可能性であって、判断や承認まで肩代わりする仕組みではない、という点を運用開始前に共有しておくと、導入後の齟齬を減らせます。
執筆時点で確認できること、まだ確認できないこと
公式情報から確認できるのは、Base Designが二つのTechniqueを作り、ブランドの展開案とタロットカードの制作手順を公開したことです。Brand Extension GeneratorとTarot Pullは、執筆時点の公開一覧でも確認できます。
一方、特定の顧客へ納品された実績、導入後の制作時間、採用率、売上への影響は公表されていません。Techniqueをブランドの正式な制作工程として運用する場合の権限管理や承認方法も、今回の事例では示されていません。
この事例が見せたのは、完成画像に加えて、作業の順番も引き渡せる可能性です。継続運用では、誰が素材を更新し、誰が手順を変更し、誰が結果を承認するのかを、Techniqueの外側で決める必要があります。
よくある質問
Q1. Base Design FLORA Techniquesとは何ですか? Base Design FLORA Techniquesは、デザイン会社Base DesignがFLORA上で公開した二つの生成工程(Brand Extension Generatorとタロット生成)の総称です。完成画像ではなく、素材を入れてから複数の案が出来上がるまでの「作業の順番」を保存し、素材を差し替えて何度でも同じ流れを走らせられる形で共有しています。
Q2. Techniqueを実行すれば、毎回同じ品質の画像が得られますか? 得られません。Techniqueに保存されるのは処理の順番と構成であり、生成モデル、パラメータ、入力素材が変われば結果も変わります。同じレシピでも材料と火加減が違えば料理の味が変わるのと同じで、Techniqueは工程の再現性を担保しますが、完成品の品質までは保証しない仕組みです。
Q3. Brand Extension GeneratorとTarot Card Generator Technique、Tarot Pullは同じものですか? 公式ページに関係を説明する記載がないため、本記事では同一とは扱っていません。FLORAが2026年7月1日に公開した事例記事では「Tarot Card Generator Technique」と表記されていますが、執筆時点のTechniques一覧に表示されているのは「Tarot Pull」です。名称変更なのか別機能なのかは公式情報からは確認できません。
Q4. TechniqueはBase Designの許可なく自社で使えますか? 公開範囲が「open」に設定されているTechniqueは、FLORAの利用者が実行画面へ組み込んで使えます。ただし、生成される案の商用利用条件、ロゴや配色を入れ替えて出力した成果物の権利関係、Base Design側のクレジット表記の要否は、FLORAとBase Designの公開情報からは網羅的に確認できません。商用利用の前に、両者の最新の利用規約を確認してください。
Q5. 自社でも同じようにTechniqueをブランド資産として運用できますか? FLORAのアカウントがあれば、自社でTechniqueを組み立てて社内に共有できます。ただし、ブランド運用として定着させるには、素材の更新権限、案の採否を判断する担当者、変更してはいけない要素、公開範囲の4項目を先に決めておく必要があります。詳しくは本記事の「ブランド運用側が最初に決めておきたい4つの項目」で整理しています。
Base Design×FLORAを確認した公式情報
- FLORA公式YouTube:FLORA x Base Design — Base DesignによるTechniqueの紹介
- FLORA公式YouTube:How to Build a Technique — Techniqueを作る基本的な流れ
- FLORA:Base Design事例 — Brand Extension Generator、タロット生成、Base Designの説明
- FLORA:Techniques発表 — Techniqueの実行、制作画面への追加、閲覧と変更
- FLORA:現行Techniques一覧 — Brand Extension GeneratorとTarot Pullの現行表示
- Base Design公式LinkedIn — Base Design側の発表
- FLORA公式LinkedIn — 制作工程の引き渡しに関するFLORA側の提案
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